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大言小語 半世紀、再開発法

 今年も恒例の業界団体等の賀詞交歓会が各地で続いている。改元、消費増税対策、選挙など話題が豊富な年だけに主催者、来賓も挨拶の話題に困ることはない。いくつかの新年会に顔を出したのだが、ある会合で印象に残ったのが施行から50年の節目を迎えた都市再開発法を切り口にした都市再開発の話題だ。

 ▼半世紀の間に全国の市街地再開発事業は1000件を超え、東京都内の事業がその4分の1を占めているという。特にここ数年は自治体が街づくりに積極的になっているため、事業ペースも急ピッチで進んでいる様子だ。都区部では20年に東京五輪開催が決定したあたりから、再開発ラッシュといわれるほどあちこちで大規模な街の再生を目の当たりにしてきたのもうなずける。

 ▼面白いのは、その話の続きだ。都市再開発事業に携わるプロフェッショナルを養成しているある団体の賀詞交歓会は、参加者が集まり過ぎて、やむなく1社何人までという人数制限に追い込まれたという。増加する事業に対してプロフェッショナルの数も足りないようで、関連する再開発プランナー資格の受験者もこのところ増加が続いている。

 事業が複合、大規模となるため、「人の顔が見えないプロジェクト」といった印象を抱いていたのだが、横のネットワークづくりのために新年会にも参加したい人材が多くいることを知り、都市再開発に対する親近感を覚えた。