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大言小語 平準化

 住宅を購入するときに、いつの時代も心強い存在となってくれるのが住宅ローン減税だろう。来年に消費税の増税が予定されていることから、この住宅ローン減税については大幅な拡充が期待されている。年末に向けて来年度の税制改正の行方が気にかかるところだ。

 ▼大幅な拡充といえば、過去には幾度か住宅ローンの減税期間が15年間に引き延ばされた前例がある。昭和から平成にかけて3年間、5年間、6年間と減税期間が延ばされ、それが一気に15年間に引き延ばされたのが平成11年だ。6年間から15年間に延びると、減税額にすれば相当の格差が生じたはずで、わずか1年の違いで明暗が大きく分かれた格好だ。

 ▼住宅需要の平準化に向けて、国も減税や給付金といった大型対策を打ち出す構えを見せている。そうした中で税の平準化を主張する声はかき消されてしまいそうだ。公平であるべきはずの課税だが、住宅に関してはなぜこれほどまでにドラスティックなのか考えずにはいられない。

 ▼大型減税とはいっても一過性に終わるならば、増税後はマイホームは更に遠のく。財源問題があることを承知の上で、いっそのことローン減税を返済全期間に適用したらどうだろうか。更には恒久化させたほうが、平準化にはふさわしい。ましてやこれから所得格差がますます深刻化していくことを思うと、それが本来のあるべき姿なのは明らかだ。