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大言小語 直感が勝負を決める

 10月になったので、10月始まりの手帳を買おうと思い書店に行ったがなかった。あるのはすべて1月始まりの19年版だった。ただ、その中にはわざわざ「1月始まり」と書いてある手帳もあったから、「4月始まり」が来年2月頃には売り出されるのだろうか。かつては10月始まりも確かにあったと思う。

 ▼気分を変えたくて、新しい手帳を買い求めたくなるのは必ずしも年が変わるときだけではないだろう。人によってそれは様々ではないだろうか。だから、誰でも、いつからでも新しい手帳に衣替えできる組み替え可能な手帳を売り出したら人気が出るのではないかと思うのだが。

 ▼膨らむ高齢者の新たな資金調達ニーズに着目した「自宅リースバック」や「ノンリコースのリバースモーゲージ型ローン」が急成長している。数年前まではこの世になかった商品だ。これを〝イノベーション〟と呼ぶ。住宅・不動産業界に今求められているのはそれである。

 ▼主に外国人観光客を対象に大家族が同じ部屋に泊まれる滞在型ホテルを開発し、大成功を収めているディベロッパーもある。その開発担当者が事業を始める前に複数のホテルの専門家に意見を求めたら、「そんなニーズはない。やめといたほうがいい」と口を揃えていわれたという。今は業界を問わず、自らの直感で新たな国民のニーズに気付くことができるかどうかで勝負が決まる。