9月2日、所用で出掛けていた新大阪駅のホームを発って東京へ戻った。まさか、その2日後、広い新大阪駅構内が人であふれることになろうとはつゆ知らずに。
▼今年最強、25年ぶりに非常に強い勢力のまま本州に上陸した台風21号は四国、関西地方を縦断。最大瞬間風速58.1メートルを記録した関西国際空港は滑走路が浸水。また、人工島である空港と対岸を結ぶ唯一の手段である連絡橋に係留していたタンカーが衝突し、橋が使えなくなり、空港は閉鎖。利用客ら3000人が孤立した。そのほか多くの被害を出した台風。6月に大きな地震があった大阪は厳しい試練を受けた。
▼その2日後、北海道胆振地方を地震が襲う。道内では史上初の震度7を観測。多くの場所で土砂崩れが起きた。また震度7だった厚真町にある苫東厚真火力発電所が停止。その影響で道内すべて295万戸が停電した。関西地方から縦断してきた台風21号の被害を受け緩んだ地盤を大地震が襲う。自然災害が多い地域、地形を有する日本とはいえ、あまりの仕打ちだった。
▼地震と台風が襲った大阪をはじめとする地域と北海道は、いずれも観光客に人気がある。一部には訪日外国人の減少を危惧する報道もあるが、今はそれに言及するときではない。全国どこで起きてもおかしくない災害列島の住民として、備えをしながら、被害にあった地域を助けていこう。
