総合

大言小語 何度も与えられていた教訓

 6月18日、大阪北部で震度6弱の地震が起き、犠牲者は5人に。大都市で起こった地震では少ないといえるのかもしれないが、尊い命が失われた。

 ▼その中の一人が小学4年生の女児。通っていた小学校のプールの周りを囲む壁のうち、ブロックで組まれたものが道路側に倒れ、命を落とした。ブロック塀といえば、宮城県沖地震が有名だ。78年のこの地震では、ブロック塀が倒れ、18人もの(全体では28人)死者を出した。これにより81年に建築基準法を改正。高さの上限をそれまでの3メートルから2.2メートルに引き下げ、1.2メートルを超える場合は、塀を後で支える控え壁が必要とされた。しかし、この小学校の塀は、上に増設する形で3.5メートルもあり、控え壁もなかった。

 ▼78年当時、ブロック塀の恐さを繰り返す報道で、その危険性がいやというほど染み付いているが、40年が経ち、その空気も薄れたか。いや、地元からは危険性の指摘もあったようだ。政府は全国の通学路にあるブロック塀の点検をするよう指示したが、指摘を汲み上げるシステムも再検討してほしい。

 ▼問うている自らも反省している。家の近くの危険な場所を見ているか。そもそも、家具だって固定していないではないか。地震など天災地変は防げない。しかし、その影響を可能なまで低くすることはできる。また、大きな教訓を天は我々に与えた。