総合

大言小語 地域の活性化を

 「ローカル・ファースト」と言うと、またか、と思われるかもしれない。しかし、地域の活性化こそが、これからの日本の生き残る道だ、なんて言うとおおげさに聞こえるだろうか。

 ▼地域の活性化に、最も貢献できる地場産業こそ不動産業だ。地域に顔が利くし、町の情報は知り尽くしている。ルーティーンの仕事に飽き足らず、地元の発展のためとアイデアを提供すれば、それが新しい産業を生み出す源になる可能性を存分に秘めている。

 ▼そもそも、なぜ日本の地域はなし崩しで、ダメになっていったのか。巨大なスーパーマーケットが町の近郊に立ち上がった時、便利で安いねえ、と無邪気に喜び、だが昔ながらの町の商店街はシャッターだらけと化した。そんなこと予見できないでしょう、なんていう声にはアメリカの例を示したい。サンフランシスコでは、あのスタバでさえ、住民の反対などで、なかなか出店が難しいという。大資本の怖さを熟知している。ローカルを大切にする気持ちが、そうさせる。

 ▼民度の違い、にまで話が及ぶか。だとしたら民度って、どうやったら上がっていくものなのか。などという話を、ある地場の不動産会社の社長さんと交わした。潮の香り漂う美しい海岸通りの町で、その人は地元のために頑張っている。これからは地域活性化に、もっと目を向けていきたいと、そのとき思った。