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東急不、スタートアップと再エネファンド 投資規模1500億円、非FIT化を加速

 東急不動産とスタートアップ企業であるSustech(東京都港区、丹野裕介代表取締役・飯田祐一郎代表取締役)は、共同でのファンド設立に合意し、7月26日に東京・渋谷で調印式を行った。両社は、非FIT(固定買取価格)発電施設を対象としたファンド設立による共同投資、同ファンドの非FIT再生可能エネルギー電源をSustechが運営する分散型電力運用プラットフォーム「ELIC」を活用して再エネの運用を進めていくことに関して合意。同ファンドでは、投資期間である10年間において最大1500億円までの投資を標榜しており、既に非FITで運営されるPPA(電力販売契約)対象施設に対する案件投資も開始している。

 今回の提携は、東急不動産が拡大する企業向けコーポレートPPA事業における協業にとどまらず、両社の様々なソリューションを活用し、社会の脱炭素化促進を主要な目的としている。東急不動産ではサステナブルな社会の実現と成長を目指し、FIT制度に依存しない再エネ事業の拡大を進めており、保有する発電所についてはFIT制度からFIP制度(市場連動の売電価格にプレミアムを上乗せすることで再エネを促進する制度)へ切り替え手続きを進めるなど、非FIT発電所の開発・取得を推進してきた。

 Sustechが開発する「ELIC」は、再エネを用いた分散型電源の管理・運用を複合支援するエネルギープラットフォーム。発電された再エネを管理し、自家消費や余剰電力の売電、環境価値の市場取引等、様々な形で運用することが可能だ。

 再エネは発電量が天候に左右されやすいために予測が難しいとされている。「ELIC」ではAIの活用により発電量予測の高度化を実現しているため、インバランスリスク(計画値と実績値の差分によりコストが発生するリスク)を低減しながらFIP制度を活用した効率的な再エネの発電・運用が可能となる。