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三栄建築設計が社長交代、創業者が暴力団への利益供与で勧告

 三栄建築設計は6月20日、臨時の取締役会を開き、小池学社長が吉野満副社長と共に辞任し、千葉理恵常務取締役を代表取締役社長に選定した。昨年11月に辞任した創業者で元社長の小池信三氏が、2021年3月25日に指定暴力団住吉会系の暴力団組員に対し約189万円の小切手を渡したとして、同日、東京都公安委員会から都暴力団排除条例第27条の規定による勧告を受けた。これに伴い、信三氏の経営への影響力排除を図るために社長交代を行った。同社では、今後、第三者委員会を設置し、再発防止に取り組むとしている。

 同社は、2022年9月12日に解体工事代金の一部が反社会的勢力に流れたとして、小池信三氏を被疑者に含む会社法違反(特別背任)の罪名で、捜査機関による捜索を受けていた。社外取締役を中心とする調査委員会は、①信三氏の了承で暴力団組員の意向によって解体工事業者を選定、②同社が支払った工事代金の一部が暴力団組員に渡ったこと、③信三氏が対象工事以外にその後も、同社の解体工事に暴力団組員を関与させようと考えており、そのための仕組みづくりを暴力団組員と話し合っていたこと、といった事実を認めた。