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和歌山の商店街にフレキシブルオフィスを7月開設 SOUNE

 webサイトやシステム、動画の制作事業などを営むIT企業のSOUNE(神奈川県相模原市、杉本大貴社長)は7月、和歌山県和歌山市本町3丁目の「ぶらくり丁商店街」で、フレキシブルオフィス「Soune Coworking(ソウネ・コワーキング)」を開設する。全国のフリーランスやスタートアップ企業、地元起業家などが共に働ける場の構築を図るもので、フリーランス経験を持つ杉本社長が、自身の出身地である和歌山に「新たな働く場所をつくりたい」と考え企画した施設。

 同施設では、「仕事場のシェア」「アウトプットの共創」「制作のサポート」という3つの役割の実現を図る。そして、個人や組織といった垣根を越えた交流で創造性の向上を促し、利用者が共に成長できるオフィスを目指していく。また、都市部と地方ではエンジニアの求人数等に差があることを踏まえ、地方エンジニアのQOLの向上に向けた環境づくりも支援する。

 同施設は、JR紀勢本線和歌山市駅から徒歩12分の立地。同施設が所在する「ぶらくり丁商店街」は、天保元年(1830年)の大火の後に商人が集まって形成された商店街で、約190年の歴史を持つ。しかしバブル崩壊以降は店舗の撤退・閉店が続出し、活気を失っていた。
そこで同社は、同商店街が同市の中心エリアに位置し、官公庁やビジネス街にも近いため、起業や事業所立ち上げに適している立地条件などに着目。同商店街をはじめとした周辺地域活性化へ向け、ビジネス創造の場となるフレキシブルオフィスの開設を図った。また、こうした目的への支援を募るため、クラウドファンディングによる資金調達も実施している。

 同施設内には、フリーアドレス型のコワーキングスペースや固定席のシェアオフィス区画のほか、会議室や打ち合わせスペース、仮眠スペースなどを備える。利用料金(税込)は、一時利用が1時間当たり440円、1日利用は1650円。月単位契約の場合、個人の「スタンダードプラン」は1万1000円、法人の「シェアオフィスプラン」は4万4000円。

(写真) 昭和期以前は活気に満ちていた「ぶらくり丁商店街」の記録写真(同社提供)