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二拠点生活は広まるのか!? 熱海の格安リゾートマンションを買うビジネスマンたち

■2億円と100万円、二極化する熱海の不動産市場

2015年以降、脚光を浴び続けている静岡県熱海市。まちを歩くとかつてシャッターの閉まっていた店が開き、若い人たちが行列を作る光景が見られるようになり、新築のリゾートマンションも。ただ、その一方でかつてのリゾートマンションが代替わりの時期を迎え、かなり安値で流通してもいる。

「新築で2憶円という物件もあれば、中古で100万円、200万円、いや、うっかりすると100万円以下もあるほど、今、熱海の不動産は二極化しています」というのはオモロー不動産研究所の青山幸成氏。

かつては東京から横浜にかけて投資用不動産を購入してきたが、最近は活用する楽しみもあり、上がりも期待できる西湘エリアから熱海に注目をしているという。そのうちでも今、おすすめは熱海。まちとしての人気の高まりに加え、質の良いリゾートマンションが現時点で安価に供給されているという点が大きい。

青山氏が実際に購入しているのが伊豆山にある熱海アビタシオン。1960年代に建てられているというから、築50年以上だ。熱海港を望む斜面地の岩盤の上に建てられており、眺望を楽しめる立地である。

2拠点生活用に熱海の格安リゾートマンションをリノベーションした物件

青山氏はたまたま管理会社、理事会と縁ができ、この物件に関わるようになった。同物件の総戸数は161戸。定住しているのは50戸ほどで、うち、現役世代は1割ほど。若い人はそれほど多くはない。

そのため、なかなか代替わりが進んでおらず、マンションの健全運営のために今後若返りを図っていきたいという希望もある。それをどう実現していくか。まず、ひとつは二拠点、多拠点居住やリモートワークなど新しい働き方に対応できる住まいとしての熱海、リゾートマンションの活用がある。

■二拠点、リモートワークを実験中

そこで、オモロー不動産研究所の若手、加茂雅隆氏も実際に一部屋購入、そうした暮らしを始めた。購入した部屋は40㎡弱、建物の4階にあり、目の前には海と山が見える開放的で静かな部屋である。温泉も使い放題だ。

2拠点生活用に熱海の格安リゾートマンションをリノベーションした物件

物件価格は100万円で別途温泉名義の書換えに50万円。スケルトンにした上でフルリノベーションを行い、その費用が600万円。その他、手数料を入れてもかかった費用は合計で800万円ほどだという。加茂氏はリノベーション費用を事業用ローン(10年返済)で借入。それ以外はキャッシュで用意したそうだ。

ところで、加茂氏の仕事は不動産、ビル管理。週に3日は池袋の会社に通い、それ以外は熱海で仕事をしている。通勤にかかる時間は乗換なども含め、ドアツードアで1時間40分ほど。一般的な人よりも長いが、週に3日だけのことである。

しかも、新幹線では座って行けるので、出社前にメールチェックその他ひと仕事できてしまうという。新幹線以外では在来線の快速アクティで約90分、車利用でも同じくらいの所要時間。熱海駅からは普段はバスを利用するが、タクシーでも1100~1200円ほどだ。

また、熱海のマンションの徒歩10分圏には活気のある鮮魚店と精肉店があり、ちょっとした調味料類や卵、パン、お惣菜類もここで揃う。古くから開発されてきたまちの底力と言えば良いだろうか、生活の質は高い。

■別荘をシェアするというアイディア

最近、モノや空間をシェアして使うというやり方が一般化しているが、青山氏は自分の別荘を数人の仲間でシェアして使うことを考えているという。

実施に当たっては理事会、組合とも密に協議して承認を得ているとのこと。ちなみにシェアして別荘を使うというアイディアについて希望者を募集したところ、一晩で20人以上の挙手があったという。その関心の高さに応え、青山氏は追加でもう1室を購入した。

2拠点生活用に熱海の格安リゾートマンションをリノベーションした物件

テレワークの普及と地方の不動産の低価格化によって、若い世代で広まりつつある二拠点生活。都市近郊の格安リゾートマンションで、その夢を叶えるビジネスマンが今後、増えていくのかもしれない。

(参照:100万円以下物件も。人気の熱海・リゾートマンションから始める初の不動産投資

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