ど素人から金持ち大家さんになった人々

第8回 不動産投資で叶えた“ハワイ移住”の夢

天方エバンさんのプロフィール
1970年生まれ。日本IBMなどを経て、外資系証券会社のシステム部門に勤務。長野オリンピックから9回連続、現地で仕事を請け負うオリンピックの専門技術者でもある。1998年に南青山の区分マンションから不動産投資を始め、2010年に投資総額7億円で2棟のRCマンションを購入。約3,000万円のキャッシュフローを礎に、2012年にハワイに移住した。家族は妻と息子3人。著書に「不動産投資で“ハワイ”へ移住!」がある。

■ 神奈川と埼玉に計7億円弱のRCマンションを購入

――2012年にハワイに移住することを目標に、2010年から大型のRC物件を探し始めたそうですね。最初に買ったのはどんな物件ですか?

天方エバンさん 
神奈川県内にある1K×40戸のマンションで、まだ築2年のファンドの損切り物件でした。価格は3億3,000万円で利回りは約10%。この時期に限ってこのエリアを融資エリアに加えていたメガバンクがあり、融資はスムーズでした。
ほぼフルローンですが融資期間が30年あり、返済比率は4割以下。この物件から毎月120万円程キャッシュフローが入ります。

――入居率はいかがですか?

天方エバンさん 
購入以来、ほぼ満室です。入居者さんのマナーも良く、トラブル等の連絡はほとんどありません。神奈川という場所は未知数でしたが、近くの不動産会社を回るなど、自分なりにマーケティングをして大丈夫と思えたので前に進むことにしました。一部屋が25㎡以上あったのもプラスでした。

――2棟目はどんな物件ですか?

天方エバンさん 
2011年に買った埼玉県内にある住居36戸、店舗2戸のマンションです。ファミリータイプで、1戸の広さは約64平米。価格は3億5,000万円で利回りは約10%です。築年数が26年と古く、1棟目に比べると平凡なスペックですが、2012年に会社を辞めると決めていたので、決断しました。

東日本大震災の後だったので、地盤がいいことも決め手になりましたね。融資は懇意にしている仲介業者さん主導で、某地銀さんのフルローンを受けられました。返済比率は4割以下です。後で聞いた話によれば、1棟目がプラスに評価されて審査で有利になったそうです。この物件のキャッシュフローは約130万円です。

――こちらも運営は順調ですか?

天方エバンさん 
入居率は95%位です。ただ、場所柄なのか1棟目よりも手間はかかります。騒音などの苦情もときどき入りますね。築年数が古いので、修繕にも備えなければいけません。今は日本の市場環境がいいので、売却も考えています。

■ 地方物件の空室対策と借金への不安

――都心の南青山や目黒に比べて、神奈川や埼玉は地方です。入居付に関して不安はありませんでしたか?

天方エバンさん 
フルローン前提で探していましたから、都内から外れることは承知していました。ラクに埋まらないなら、自分が動いて埋めるだけです。僕にはたくさんの大家仲間がいます。その中には空室対策のプロもいますから、彼らにアドバイスをもらいながら、地域の人気物件を作っていくつもりです。

――全部で7億円弱の借金をすることに対して恐怖心は?

天方エバンさん 
平気です。妻も1棟目はすんなりと連帯保証人になってくれました。ただ、2棟目に進むときは「私たちのキャパシティを超えているのでは?」と反対されました。このときは、不動産投資に詳しい僕の両親が出てきて、妻の不安を解消してくれました。今では妻も応援してくれています。

――ハワイ移住の前に大型のRC物件を2棟買うと決めていたのですか?

天方エバンさん 
本当は移住前に3棟、4棟と買い進める予定でしたが、条件に合う物件に出会えず、2棟でストップしました。それでも、両方合わせて約3,000万円の年間キャッシュフローを作れたことは、ハワイ移住への大きな後押しになりましたね。

埼玉の物件を買ってすぐ、日本で宅建の資格を取得したり、ビザの手続きをしたりと具体的な準備に入りました。ちなみにビザは、妻が向こうで生まれアメリカ国籍を持っているので、グリーンカードを取得しました。

■ ハワイに移住して良かったこと、意外だったこと

――2012年4月にハワイに移住されたわけですが、3年間住んでみての感想はいかがですか?

天方エバンさん 
快適です。現地で3人目の息子も誕生しました。ただ、居住地がオアフ島ということもあり、思ったより生活費が高いですね。がんばってこちらでも稼がないといけません(笑)。

――ハワイでもハワイ州公認の不動産取引士の資格を取られたんですよね。どうしてですか?

天方エバンさん 
僕の趣味はゴルフとサーフィン。でも、ハワイに行く前に、向こうで何をしようと考えた時、それだけでは、40代がもったいないと思ったんです。それで、好きな不動産を仕事にしようと思い、資格を取りました。
もともと、家を見るのが大好きなので、今の仕事はとても楽しいです。最近は、生活費は仕事からの収入でまかない、日本の家賃収入はプールできるようになりました。

■ 目標は思えば7割は達成している。あとの3割は実行するだけ。

――オリンピックの仕事といい、ハワイ移住といい、自分の人生を好きなように生きるコツはどこにあるのでしょう?

天方エバンさん 
32才のときに、オーストラリア人の親友に42才でセミリタイアするという夢を話したことがあります。すると、その彼から「目標は想えば7割は達成しているから、あとの3割を実行するだけだね」と言われたんです。
それを聞いたとき、あと3割なんだから、絶対に叶えられるという気がしました。それと、海外には「Life is adventure or nothing」という言葉があるんです。僕もそんな人生を送りたいといつも思っています。

――なるほど。天方さんは人生の冒険者なんですね。そんな天方さんの次の夢を教えてください。

天方エバンさん 
あと10年くらいはハワイに住んで子育てを満喫するつもりです。不動産については、日本の物件はリモート管理で満室維持に務めながら、海外の物件にも視野を広げていきたいですね。
ハワイから管理できるの? と聞かれますが、入金管理はオンラインでできますし、管理会社さんともメールで連絡がとれますから、問題ないですよ。日本へもちょくちょく帰りますし。

――最後に、これから不動産投資を始めたい方へ、メッセージをお願いします。

天方エバンさん 
僕はよく、運がいいと言われますが、これまでに失敗がなかったわけではありません。でも、何があっても前向きに進んできたことで、運を引き寄せられたのかなと思っています。
思ったことは形になります。物件を欲しいなら、なるべく具体的に規模や立地などの目標を決めて、動き出してみてください。そして、物件が買えたらハワイに遊びに来てください!

前編:第7回 会社員とオリンピックと不動産投資の3足のわらじ


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