社説「住宅新報の提言」

東京・港区の公共賃貸住宅のエレベーターで高2圧死

 6月3日午後7時半ごろ、東京都港区芝1丁目の公共賃貸マンション「シティハイツ竹芝」(地上23階建て)で、都立高校2年、市川大輔(ひろすけ)さん(16)がマンションに設置されているエレベーターに挟まれ、胸などを圧迫されるなどで間もなく死亡した。
 同エレベーターは、東京都江東区に本社があるシンドラーエレベータが製造。同住宅に98年4月設置された。保守点検は04年度まで同社が担当。その後、日本電力サービスを経て、06年4月からエス・イー・シーエレベーターが保守を行っている。
 警視庁は6月7日、シンドラーエレベータや同マンションを所有する港区などを業務上過失致死の疑いで家宅捜索。
 また、国土交通省は同日、住宅建築指導課長名で、各都道府県建築主務部長に対し、6月28日までの期間での、シンドラーエレベータ製エレベーターの緊急点検報告を要請した。
 エレベーター会社の団体である(社)日本エレベータ協会は「製造メーカー、関連機関と連携を計りながら、原因の究明に協力していく」とコメントした。


【今週の視点】「責任は誰に・・・」
 建築基準法では、エレベーターの維持・保全について、「その義務は所有者や管理者にある」と規定されており、定期検査報告が義務付けられている。一方、国交省は、シンドラー社のエレベーターの緊急点検を要請した。
 今回の事故の責任を取るべきは、設置会社のシンドラー社か、所有者及びメンテナンス企業か?あなたはどちらだと考えますか?