社説「住宅新報の提言」

マンションリフォーム市場、「これからが本格的な拡大時期」と予測 矢野経済研究所

 矢野経済研究所は1月26日、「住宅リフォーム市場に関する調査結果2008」を発表した。

 それによると、07年のマンションリフォーム(専有部)の市場規模を6,540億円(前年比2.7%増)と推計し、15年には8,290億円(07年比26.8%増加)まで拡大すると予測。「今後の需要喚起としては大きな期待が持てる分野であり、これからがマンションリフォームの本格的な拡大時期である」としている。理由として、「マンションは一戸建てよりも耐久性が比較的長いこと、入居者の入れ替えが多く、修理・修繕を中心としたリフォームが多いこと、スケルトンリフォーム(間取り・内装・設備などを含めたフルリフォーム)などの大胆なリフォームができる」などを挙げている。

 なお、住宅リフォーム市場規模全体としては、07年を5.7兆円(前年比3.7%減少)、08年には約6.0兆円、10年には6.3兆円になると予測している。

【今週の視点】
 マンションリフォームは、用途変更といったコンバージョンとは違って、駆体を触らない、いわば内装と設備のリニューアルである。耐力壁を解体しない限り、建物が崩れることはない。修理・修繕レベルからスケルトンになると、給排水配管や電気設備をやりかえることになるので500万円以上の負担が必要となる場合もある。工期は3週間~1か月程度。最近では、中古マンションを購入して、リフォーム後に入居する人が増えたようだ。
 問題なのは、仲介業者が中古販売時にでたらめのリフォーム代を顧客に告げる業者がいる。不動産業者に「200万円程度でリフォームできますよ」と言われた顧客が、物件購入後、実際に工務店で見積もりをとると500万円。オーバーローンでも金が足りない。さらに借金がかさむ結果となった。
 顧客も素人なら仲介業者も素人である。どちらかに少し建築の知識や相談者がいれば顧客の不幸は起きなかったかもしれない。