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大言小語 人は進歩するもの

 コロナ禍での混乱が落ち着きを見せ始めて〝日常〟が戻ってきた、と安心している声が聞こえる。その日常とはコロナ禍以前に戻ったという意味のよう。あえて過激に表現すれば〝壮大な社会実験〟を経験したにも関わらず、何も変わらないという人たちがいる。

 ▼CCCMKホールディングス(東京都渋谷区)は、コロナ禍の生活変化に関する調査を実施した。それによると、この3年で、時間・労働環境・お金・場所・遊び・人付き合い・食事に関する7つの項目のいずれも半数近くで、または、それ以上の人たちが「変わった」と回答。特に「場所」(出かける場所)は大きく変わり、最も変化を感じた項目だった。

 ▼また、この先1年で、近隣の都道府県以外の国内旅行や海外旅行の意向を示した回答者が多い。一方、ライブ・コンサート・フェスの鑑賞でも2割以上が「家の中」を望み、有料セミナーや習い事は半数近くがオンラインを望んでいるという。場所に制限のない利便性を享受し、新たな選択肢として定着してきたようだ。

 ▼多くの人たちはコロナ禍を経験し、何かしらの変化を感じている。既に以前の日常はない。一方、かつての日常に戻った〝元のまま〟の人たちも少なからずいる。激変する社会経済環境下で、これまでの日常に戻る、同じ状態の現状維持とは、何も進歩していないことと同義でもある。「平成」でさえなく「昭和」で止まった人たちもいる。