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大言小語 自らの舞台で力を出す

 あえてこの話題を外そうとも思ったが、それもかえって際立たせることになるかもしれない。ということで、サッカーW杯カタール大会。この紙面が出るころには、予選最後のスペイン戦前で、既に予選突破しているか、それとも最終戦にかかっているかというところ。それにしても、過去4度の優勝を誇るドイツを破ったのは見事だった。

 ▼アルゼンチンを破ったサウジアラビアと共にアジアの力を見せた日本だが、イランや豪州は欧州勢に完敗した。実際、サウジ、日本もボールの支配率、シュート数は相手より大きく下回っている。これからの戦いもいばらの道が待っているが、頑張ってほしい。

 ▼日本はこのところいい話がなかった。経済では、失われた30年と言われ、他の先進国では上昇している平均賃金も伸びがない。政治も国民の信頼を失っている。スポーツでは、サッカーをはじめ野球など世界を舞台に活躍する選手が多くなったものの、運営する側では、五輪誘致などで不祥事が相次いでいる。

 ▼こんな空気を振り払ってくれるのは、やはりいちずなプレーだ。MVPの大谷の常識では測れない投打、スノーボードで脚光を浴びる10代の選手など、まさに誇らしい。と同時に、一ファンである私たちも、自分の舞台で精一杯の力を出そう。必ずしも輝かしくなくても。その積み重ねがまた、この国を日出(い)ずる国にしていくことだろう。