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「東京ミッドタウン八重洲」先行開業 23年3月に全面開業 オフィス満床見込む

 三井不動産などは9月17日、東京駅前にオフィス、商業施設、ホテル、小学校などを整備する「東京ミッドタウン八重洲」(東京都中央区八重洲二丁目)を竣工し、地下のバスターミナルと13店舗の商業施設を先行開業した。10月には東大の施設がオープン。23年3月10日にオフィスなどを含めた全体を開業する。オフィスとして初めて6台のロボットによるフードデリバリーサービスなどを導入する。三井不動産の藤井卓也ビルディング本部ビルディング事業三部長は「世界から人が集まる仕掛けを作っていく」と話した。

 オフィス部分は、7~38階、40~45階にラグジュアリーホテル「ブルガリホテル東京」が入居する。オフィスのリーシング状況は、ダイキン工業や日本GLPなどが入居することを公表。順調に進んでいるとし、23年3月のグランドオープン時には満床を見込んでいる。

 地下1階から地上3階までは商業施設で約60店舗が入居し、地下1階が先行開業。バスターミナル利用者を含む旅行者やオフィス従業員が短時間で利用できる飲食店など13店舗を集めた。八重洲地下街と直結し、オフィスエントランスとの直線の導線を整備すると共に、災害時には約3300人の帰宅困難者の一時収容を可能とした。

 23年3月に開業する1階部分は、日本発のラグジュアリーを提案する物販や食物販などが入居する。2階部分は食やスポーツ、アートなどの体験価値が同物件の価値向上につながるとし、関連のショップが入居。また、気楽に過ごせる新たなパブリックスペースを設ける。3階はオフィス従業員に使ってもらうカジュアルな飲食店などを整備する。

 三井不動産の牛河孝之商業施設本部アーバン事業部長は、「1日15万人が利用する八重洲地下街と直結する得がたい立地。いろいろな方が利用するというのが、大きな特徴になってくる」とした。

 10月には、4階の都心サテライト拠点「東京大学八重洲アカデミックコモンズ(UTokyo Yaesu Academic Commons)」を開設する。

 系統電力に加え、地下4階に都市ガスで電気と熱を供給する「八重洲エネルギーセンター」を設置。常時稼働で消費するエネルギーの半分程度を賄い、災害時にもエネルギーを供給する。企業事業継続(BCP)の観点から貢献し、オフィス入居予定テナントから、エネルギーセンターを評価する声もあったという。エネルギーは同物件に加え、八重洲地下街、整備中の八重洲二丁目中地区へ供給する計画だ。