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国営公園初のPark-PFI 淡路島で複合型リゾート開業 地域価値向上へ官民連携

 兵庫県淡路市の国営明石海峡公園内で7月13日、「食と健康」をテーマとした複合型温泉リゾート施設「アクアイグニス淡路島」が開業した。国営公園として初めて、民間資金を活用した整備・管理手法である「Park-PFI」の認定を受けた事業だ。淡路島が大阪湾・瀬戸内観光の核となることを目指した事業であり、タカラレーベンも参画。地元企業等とも協業を図り、地域価値向上を目指している。

 「アクアイグニス淡路島」を運営する(株)アクアイグニス淡路島(兵庫県淡路市、古市尚社長)は、7月12日にメディア向け内覧会を実施。報道陣に施設内を公開した。

 続いて、同施設の開業日である13日にはオープン記念の式典を開催。古市社長は式典で、淡路島の新たな観光拠点として地域発展への意欲を示した。また会場となった同施設には、行政関係者を始め多くの来賓が訪れ、テープカットに参加するなどして新施設の門出を祝った。

近隣施設や企業とも協業

 同施設は、淡路島の北部に位置する国営明石海峡公園淡路地区海岸ゾーン「シースケープ・ラウンジ」の約8800m2を事業用敷地とし、レストランやバーベキュー施設、温泉設備などを備えた複合観光施設。6月23日には「竣功祭」が行われた。

 交通アクセスは、神戸淡路鳴門自動車道淡路ICから自動車で約5分、JR新神戸駅からは高速バスで約60分の聖隷淡路病院前バス停より徒歩3分。淡路島を訪れる上で利便性の高い立地となっており、島内観光の拠点としての幅広い利用を見込む。

 「食と健康」をテーマに、淡路島の特産品や海辺の展望を生かした体験を提供する施設開発事業として、20年に「Park-PFI」公募設置等計画の認定を受けている。能動的な観光体験を支援するため、レンタルサイクルショップを設けたほか、温浴施設での運動プログラム導入なども予定。更に近隣施設や地元企業と協業し、新たな雇用創出や地元産品のブランド化など、地域の活性化・価値向上への貢献も目指す。

タカラレーベンも参画

 こうした事業方針を踏まえ、計画にはタカラレーベンも参画。同事業の投資組合へ出資を行ったほか、同社グループのタカラアセットマネジメントが事業資金の運用管理を行っている。

 タカラレーベンは同事業について、「地方自治体に限らず、異業種とも連携しながら新たな事業スキームとして地域活性化および地域の価値向上に資することができる」ものとして評価。今後も同様の取り組みを積極的に推進し、幅広い主体と連携を図っていくことで、「持続可能な未来の都市空間を創造するべく取り組んでいく」とコメントしている。