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三菱地所ホーム、木造・木質化推進へ プラットフォーム構築 国産材の端材でプロダクト制作

 三菱地所ホームは6月14日、木造・木質化の推進に向けたプラットフォーム「KIDZUKI(キヅキ)」構想を始動し、専用サイトをオープンした。8月から順次木に関する記事やプロジェクトの進ちょくを公開するなど、コンテンツを拡充していく方針だ。

 同社グループをはじめ、幅広い分野の事業者、行政、教育機関、クリエイター、生活者がそれぞれの課題とソリューションをシェアすることで、〝木〟に関する新たな共創を生むネットワークの構築を目指すと共に、(1)木質製品や建築物などの〝モノ〟、(2)ワークショップや研究などの〝コト〟、(3)木造・木質化の活性化による社会貢献の〝イミ〟を創出するプラットフォームの構築を目指す。

 カリモク家具、石巻工房、三菱地所住宅加工センターのコラボレーション企画によって、生産過程で生まれる国産材の端材や廃材を活用したオリジナルプロダクトの制作に取り組む。初弾は、カリモク家具と、トラフ建築設計事務所の鈴野浩一氏がデザインしたプロトタイプを制作し、6月20日に同社の新社屋(7月に移転予定)に設置した。オフィス利用者のニーズ検証やフィードバックを反映しながら、オフィスから住宅向けまで幅広いプロダクトの企画開発に取り組む。

 地域活性化プロジェクトにも取り組む。初弾は、高齢化や人口減少、空き家問題など地域・社会課題を抱えている横浜市栄区で、同社が玉川大学芸術学部と連携し、木製プロダクトを活用したにぎわい創出に取り組む。また、駅前商店街の過疎化や空き家問題などを抱える静岡県菊川市でも産学官連携で取り組む方針。

 なお、同社は同日、50年のネットゼロ達成に向け、CO2排出量を30年度までに19年度比60%削減を掲げたほか、削減に向けた戦略として30年度までにZEH率を4割超程度から85%まで上げる方針をはじめ、国産材の積極活用や、廃棄物を抑制する施工方法や再利用しやすい材料の選定、プレカット技術の促進などの戦略を示した。「キヅキ」のプロジェクトを進めることで、目標達成をけん引したい考えだ。