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GMOグローバルサイン・ホールディングス 不動産DXの支援強化へ 運用マニュアルに完全対応

 GMOグローバルサイン・ホールディングス(東京都渋谷区、以下・GMO-GSHD)は、5月18日の改正宅地建物取引業法の施行を受け、不動産業界のDX推進の支援を一層強化する。同社で開発・提供する電子契約サービス『電子印鑑GMOサイン』を、国土交通省が4月27日に発表した電子書面交付に関する運用マニュアルに完全対応させており、不動産企業の業務のデジタル化を後押しする。

 5月23日に開いた『業界キーマンが解説する不動産DXの全貌』と題した記者会見で、GMO-GSHD電子契約事業部部長の牛島直紀氏は、「不動産業務は取引数、関係当事者、書類がいずれも多い。電子契約は、これら関連業務を効率化してコストを低減し、取引内容の可視化でガバナンスの強化にもなる。高まる消費者のニーズに不動産企業が応えられるよう、当社サービスの強化や連携、業界との協働を推進する」と強調。マイナンバーカードとの連携など、プロダクト・サービスの機能向上を図り、1月に業務提携した全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)と共に啓発活動などを行う。他社提供の不動産業務基幹システムとの連携も深める。

 21年12月に不動産仲介での「マイナンバーカード認証」での電子署名実用化に関して同社と業務提携した東急リバブル(東京都渋谷区)DX推進部DX推進課の小林浩氏は、電子契約サービスを活用する側の観点で、「利便性の向上とともに〝なりすまし〟や誤送信などのマイナスリスクを防止する〝安心・安全〟との両立が欠かせない。場面を吟味しながら活用を拡大し、顧客視点の〝新たな価値体験〟を提供できるよう、使いやすさも追求する」と説明した。

 5年前から業務のデジタル化を推進している賃貸管理・仲介業のエレマックス(東京都渋谷区)社長の宇井茂氏は、「電子契約はコスト削減効果が高い。一気に取り組むには抵抗感があるが、使いやすい場面や取引相手から徐々に導入し、いかに〝慣れる〟かが鍵になる」と提言した。

 東京都宅地建物取引業協会宅地建物取引士法定講習講師で、深沢綜合法律事務所(東京都豊島区)弁護士の大川隆之氏は、「法令や関係規則の改正で、ようやく不動産業務のIT化の要件が整った。DX化も加速する。電子契約は、相手の承諾と改ざん防止措置、個人情報保護などの観点が必須となる。最も重要なことはデジタル化に取り組む姿勢と、その〝気持ちの切り替え〟にある」と解説した。