売買仲介

21年マンションリセールバリュー   東京カンテイ調査 「六本木一丁目」首都圏トップ 築10年で資産価値が倍増に

 東京カンテイは5月9日、築10年の中古マンションを対象にリセールバリュー(再販価値)の調査結果を発表した。再販価値が算出可能な首都圏の353駅を調べたところ、その平均値は119.8%だった。新築購入時より2割近い値上がりを示す結果となった。13年以降の価格高騰局面で新築・中古とも値上がりし、最近はコロナ前に比べて1割ほど水準が切り上がったことでリセールバリューの数値が大きく上振れた。これまで東京都心などの価格が上がっていたが、その外周エリアも高水準で推移している。

 そうした中、21年で最もリセールバリューが高い駅は東京メトロ南北線「六本木一丁目」(211.1%)だった。新築分譲時に比べて2倍以上も値上がりしている。新築分譲時の坪単価は483.6万円だったが、築10年を経過していながら坪1000万円を超える資産価値を誇る。一等地で駅近のマンションの希少性が反映されている。

 第2位は都営地下鉄大江戸線「赤羽橋」で再販価値は181.6%となり、新築時の坪349.6万円から634.9万円に跳ね上がった。都営地下鉄三田線「御成門」(169.3%)がトップ3にランクインしており、足元の坪単価は510万円を超える価値を維持している。

 上位30駅の内訳としては、「3A(麻布・赤坂・青山)」と呼ばれるエリアをはじめとする富裕層から高い人気を集めて、高級住宅地が存在する港区から9駅がランクインしている。再開発ラッシュの渋谷や高級ブランドひしめく代官山などを擁する渋谷区内から4駅がランクインした。JR山手線エリアに位置する駅も多く上位に顔を出した。

 調査対象となった345駅のうち100%を超えたのは302駅に上り、資産価値が1割以上目減りした駅は13駅にとどまっている。

運用差益は1.7億円

 また、「六本木一丁目」を新築から10年間にわたり賃貸運用した上で売却した場合の差益を試算すると、その差益は70m2換算で1億7494万円(坪826.2万円)に達する。年利回りは17.08%であり、お買い得ランキングとしてもトップだ。差益の内訳は、運用益が坪288.7万円、売却益が坪537.5万円だった。お買い得の2位は「麻布十番」で差益は坪491.9万円となり、「赤羽橋」「代官山」「芝公園」「赤坂」までのトップ6駅まで400万円台の差益となっている。