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サンケイロジ柏の葉 初の単独開発物流施設 環境対応や労働環境向上図る

 サンケイビルは3月15日、同社オリジナルの物流施設としてシリーズ初物件となる「SANKEILOGI(サンケイロジ)柏の葉」(千葉県柏市)を竣工し、稼働を開始した。同社はこれまで、他社との共同による物流施設の開発に携わった実績はあるものの、単独では今回が初の事例となる。

 同物件は常磐自動車道柏ICから約700メートルの距離に位置し、国道16号線も利用可能な立地。つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅からは約1.9キロ、バスと停留所からの徒歩を合わせて11分の距離となっており、居住人口の多いエリアのため「従業員確保の機会にも恵まれている」(同社)としている。

 敷地面積は約5310m2、建物は鉄骨造・4階建てで延べ床面積は約1万1050m2。倉庫フロアの床面積は約1830~2620m2で、スペックとしては、10トン車用トラックバース12台分とトラック待機場3台分、積載荷重3.5トンの荷物用エレベーターと同1.5トンの垂直搬送機各2基などを備える。

 専用型とマルチテナント型の双方に対応可能な構造となっており、3月14日に開かれた内覧会の時点で、既に単独の物流会社による1棟賃借が決定している。賃料の水準は「周辺相場と同程度」(同社)に設定した。

他分野での知見生かす

 また屋根には太陽光発電システムを導入し、発電した電力を施設内で自家消費することで、環境負荷の低減と停電時の対応力向上を図る。更にLED照明や断熱性に優れた建材の使用などにより、省エネルギー性能の向上に努めている。

 このほか、住宅やオフィスなど幅広い分野で不動産開発を手掛けてきた知見を生かし、デザイン性を重視したエントランスホールや利用者のウェルネスに配慮した屋外テラスなどを設け、労働環境の向上も目指した。

 単独での物流施設開発について、同社担当者は「マーケットにおける物流施設ニーズの高まりを受けたものであり、単独で事業に取り組むことで、より本格的に物流施設開発のノウハウを蓄積していきたい」と動機を語る。当面は自社で保有・運用していく計画で、9月には神奈川県厚木市で第2号物件となる「サンケイロジ厚木」の竣工を予定するなど、「今後も継続的に開発を進めていく」(同社担当者)方針だ。