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ボルテックス 異例の〝個性派〟区分オフィス サンフロ不の再生物件取得

 ボルテックスは東京都中央区京橋で、サンフロンティア不動産(以下サンフロ不)の手掛けた既存オフィスビル「+SHIFT KYOBASHI(プラスシフト京橋)」を取得し、区分所有オフィス「VORT京橋2(仮称)」として販売を進めている。ボルテックスは、既存ビルについては取得後、自社で刷新するケースが主流。今回は他社がデザイン重視の再生工事を施したセットアップ型オフィスで、異例の試みとなる。

 同物件は東京メトロ銀座線京橋駅から徒歩3分のほか、JR線や都営浅草線など複数路線が利用できる立地。建物は89年竣工で地上10階地下1階建て、総戸数12戸。オフィスフロアの面積は約88~168m2。サンフロ不が取得後、協働する設計デザイン会社のドラフト(東京都渋谷区)と共に刷新し、「プラスシフト」ブランドとして展開。標準的なオフィスとは異なり、フロアごとに異なるデザインやレイアウトを採用していることが特徴だ。

 また近年需要の高い個室ブースのほか、コミュニケーションを促すミーティングスペース、ワークスペースとしても利用可能なラウンジなどを設け、多様な働き方に対応。什器の素材や細かい収納など、利用者の快適性を高める工夫も凝らしている。更に再生可能エネルギーの電気を調達し、RE100基準にも適合させている。

高付加価値を評価

 取得時点で大幅に改装済みの物件のため、一般的な既存ビルと比べ取得コストは上回るものの、「通常は自社で相応の改装工事を行うため、大きな影響はない。それよりも付加価値の高さにより、入居率や賃料の向上を見込めるメリットが大きい」(ボルテックス広報担当)。

 現在は、同物件を区分所有オフィスとして販売を進めると共に、改称に向けた準備を進めている段階。今後、同様のセットアップ型オフィス等の取得を戦略的に増やしていくという意図はないものの、「コロナ下におけるニーズも鑑み、状況に応じて検討していく」(同)という方針だ。