NTT都市開発とライナフは、築19年のサービスアパートメントを大規模改修し、顔認証やスマートフォンでの遠隔応対が可能な次世代賃貸マンションを供給する。「ウエリスアーバン品川タワー」(東京都港区港南)は1月21日から物件案内をしており、2月上旬から入居を開始。同物件は、充実した最上階のワークラウンジなどと共に、不動産テック企業のライナフ(東京都文京区、滝沢潔社長)がスマホに対応した顔認証エントランスシステム「ライナフGate」に加え、次世代インターホンシステム「ライナフGateインターホン」を初めて導入し、入居者のメインターゲットである30~40代・1人世帯の外資系企業勤務者に訴求する。
同物件は、03年11月に竣工した24階建てのサービスアパートメント「ビューロ品川」をNTT都市開発が昨年、ファンドから取得して改装。JR品川駅から徒歩10分の立地で、全305戸のうち第1期は41戸、1R~1LDK(専有面積28.31~83.82m2)を賃貸住宅として供給する。月額賃料は13万8000~60万円、管理費が1~2万円。改装工事を順次進めており、当面、一部フロアにおいてサービスアパートメントの営業を継続する。
同物件のコンセプトは、「都心の利便・豊かさを享受する、ホテルライクな暮らし」で、1階に24時間対応のコンシェルジュサービスや、スパ、フィットネスなど共用部を充実させている。
住戸は一般賃貸住戸だけでなく、サービスアパートメントだったことを生かした家具家電付き住戸を用意している。「既に問い合わせや申し込みが来ている」(NTT都市開発)と言う。品川エリアは、NTT都市開発にとって戦略エリアで、同物件をフラッグシップ物件と位置付ける。
既存物件でIoT化
同物件で初導入した「ライナフGateインターホン」は、スマホで顔認証登録のほか来訪者対応ができ、外出先でも遠隔での操作が可能だ。入居者が保有するスマホに無料アプリをダウンロードすることで、エントランスの解錠、来訪者対応が可能で、通常の音声通話のほかボイスチェンジャーを使った音声通話や文字メッセージによる応対で、プライバシーを確保できる。顔認証は5件まで登録可能で、マスクをしていても認識する。
「ライナフGate」と「ライナフGateインターホン」は、タブレット、共用エントランス用スマートロック、入居者向けアプリ、管理会社向けウェブシステムで導入が可能だ。
利用料金も月額課金のシンプルな設定で、ディベロッパーや物件オーナーにとっては、新築のみならず既存物件においてもIoT化による差別化、低コストでの導入、ニューノーマル対応が可能になる。
ライナフは今後、2カ月の無料期間を設定し、展開を進めることを検討している。