マンション・開発・経営

働き方の多様化に新提案 東急不「GREEN WORK STYLE」 経営資源生かしテナント支援

 東急不動産は、多様化した働き方に対応するために、オフィステナント向けの新サービスの提供を開始する。17年から緑を配置することでオフィスワーカーのストレスを軽減し、作業効率や生産性向上などに取り組んできたが、次のステップとして、多様な働き方やESGなどの環境対応、従業員への健康やライフスタイルの変化への対応をワンストップで提案する「GREEN WORK STYLE 未来の自分をつくる働き方」を提供。戦略エリアである渋谷におけるエリア価値向上にもつなげていく考えだ。

 榎戸明子取締役執行役員都市事業ユニット長は「オフィスの空室率が上昇に転じ、賃料水準の過熱感があった渋谷エリアも調整された。成長企業が渋谷エリアに再度流入し、他のエリアに先駆けて回復したが、コロナによる社会の変化を機に、センターオフィスとそれ以外のオフィスのハイブリッド型を模索している」と指摘。テナント企業の働き方の多様化や従業員の健康配慮などへの対応の必要性から、同社グループのリソースを生かした新たなオフィス提案を行う。

 同提案では、「オフィスの百貨店構想」「グリーンエネルギー供給」「ヘルスケアソリューション」「Worker,s Garden」の4つの観点からパッケージで提案する。「オフィスの百貨店構想」では、同社が提供する都心部のオフィスビルやシェアオフィス、貸し会議室、ホテルなどを組み合わせて、テナントニーズに合ったオフィスを提供する。これらのオフィス環境は、PCやスマホによりワンストップで利用予約や管理ができ、労務管理や施設利用料金の一括管理が可能になる。システムは来年1月中旬から提供する。

 「グリーンエネルギー供給」では、同社グループによる再生可能エネルギー(再エネ)を供給し、テナントの要望に伴い、再エネ由来電力を提供する。

 「ヘルスケアソリューション」は、従業員の健康に関して、法令順守、企業リスク回避、健康経営の実現といったニーズに対して、幅広いメニューを用意して対応する。

 「Worker,s Garden」は、テナントの従業員向けサービスで、限定プラットフォームを提供。プラットフォームを介して、グループの宿泊施設や商業施設、仲介手数料割引など住まい優待、東急ハンズの割引などの様々な優待、限定情報の発信を行う。プラットフォームでは、学びや趣味を通じたコミュニティ形成を目指す。