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東急不「マナベルマルシェ」 再エネ契機に地域つなぐ 銀座に新発想の特産物店舗

 東急不動産は11月30日、東急プラザ銀座(東京都中央区)地下1階で新たなコンセプトのアンテナショップ「マナベルマルシェ~子どもたちが取材した生産のプロセス展~」を開設した。同社が再生可能エネルギー事業を展開する3自治体が、地域の特産品などを生産者の声と共に出品。購入・消費だけでなく、〝学べる〟マルシェ空間に仕上げている。

 今回参加した自治体は茨城県行方市と北海道の釧路町、松前町で、いずれも同社が太陽光や風力による発電事業を手掛けている地域。今回の「マナベルマルシェ」は、そうした同社の再エネ事業と主力の都市開発事業を組み合わせることにより、都心と地域をつなぐ試みと位置付けられている。

 同月29日に開かれた記者発表会・内覧会で、同社の池内敬常務は「総合ディベロッパーとして都市づくりと環境対応の双方に取り組みながら、パートナーである自治体とサステナブルな視点で事業を進めていきたい」と意図を述べた。

子供記者取材を企画

 店舗では、各自治体の特産である農・水産物やその加工食品、銘菓などを販売する。更にそうした食品の生産者に対し、全国から募った小学生が生産物や農業・漁業などについて質問、対話するという「子供記者取材」を企画。質疑応答の内容を店舗内で紹介し、「通常はなかなか見えない食品の生産プロセスを提示し、食べるだけでなく学べる場として構築した」(同社瀬志本藍課長補佐)という点が特徴だ。

 同発表会では、参加した3自治体の首長がビデオメッセージで、各地域の特色や脱炭素化への取り組みを紹介した。続いてゲストとして、タレントの鈴木奈々さんが登壇し、自身の出身地で現在も在住する茨城県の魅力をアピール。「レンコンや栗、メロンなど、生産・出荷量1位のものが多い。また東京へのアクセスもよく便利で、大好きな地元」と語った。

 「マナベルマルシェ」の開催期間は12月28日まで。また期間中は東急プラザ銀座内で、フードロスやリサイクル、エネルギーの地産地消などについて学べるイベントを実施し、サステナブルや社会課題解決にをテーマとした複数の取り組みを展開する。