東急(株)は7月1日、街づくりにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させるための新組織「デジタルプラットフォーム準備プロジェクト」(Urban Hacks)を立ち上げた。活動拠点は、WeWork渋谷スクランブルスクエアに設置。東急電鉄や東急百貨店など同社グループ各社がデジタル技術を活用したサービスを展開してきたが、グループ全体での活用、共有化が十分でなかったと認識した。同プロジェクトに新たな人材を迎え入れ、街づくりDX専門組織を立ち上げ、デジタル領域への投資を集中させる。「東急線沿線を世界一住みたくなる場所にすることがゴール」(宮澤秀右プロジェクトオーナー)と言う。
「Urban Hacks」は、「技術やビジネスの課題を解決すると共に、街づくりのわくわくする感覚」(同)から名付けた。「東急線沿線に住んでいるので、東急の顧客接点の多さを実感しているが、デジタルの接点はバラバラと感じた」(同)と言う。
顧客体験の視点からのデジタルプロダクト(アプリなど)を捉えると、各社の事業を横断するものとなる。また、投資の視点から、戦略からプロダクトまで自社での開発を徹底する。「自分ごととしてサービスを考えることにこだわる」(同)ため、外部からソフトウェアエンジニアを中心に採用する。
同社では、エンジニアやデザイナーなどを10月までに10人程度を募集。今年度中に組織化と開発に着手することで、リアルとデジタルを駆使したサービス展開を行う。将来的には50人程度の組織への拡大を目指す。
東急線沿線においては、500万人超の住民がおり、年間延べ11億人が利用するなどリアルの顧客基盤が確立している。また、大企業のスケール感と共に、新組織では実力本位のスタートアップの機動力を活用する。
新組織は、当面、同社の既存デジタルサービスである「DENTO」「TuyTuy」の顧客サービスの最適化や利用率の向上、ビジネスとしての最大化を図る。