社説 2度目の緊急事態宣言 一丸となってコロナ封じへ

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 新型コロナウイルスの感染拡大の抑制と医療崩壊を阻止するため、2度目となる緊急事態宣言が発出された。感染拡大が著しい東京、千葉、埼玉、神奈川の1都3県を対象に、1月8日から2月7日までの期間とした。菅義偉総理大臣は、飲食店の営業時間短縮、午後8時以降の不要不急の外出自粛、テレワークによる出勤の7割削減などを要請した上で、「もう一度、制約のある生活をお願いせざるを得ない」と会見で述べた。会見のあった7日には、19都府県において1日の新規感染者数が過去最多を更新。早い段階から第3波が予測されていただけに、2度目の宣言発出に無力感と失望感を抱く国民も少なくない。

 しかし事態は深刻の一途をたどっている。宣言の有無にかかわらず、感染防止、感染拡大阻止のための行動は避けて通れない。ワクチン供給が視野に入ってきた中で、コロナ禍と経済停滞との戦いは正念場を迎えている。経済界でも一部で百貨店が閉店時間の繰り上げ、鉄道の終電繰り上げなどの動きが出ている。また宣言要請の動きは関西圏の自治体でも広がりそうだ。地域や業種の分け隔てなくすべての国民、すべての組織がもう一度コロナ封じに一丸となって取り組むときである。

 その中でも〝急所〟と指摘され、営業時間短縮をピンポイントで要請された飲食店は、1年近くに及んだコロナへの対応を乗り越え、客足が戻り始めた矢先の再要請となった。やりきれない思いを強くした事業者は多く、まさにぎりぎりの決断を迫られているといってよいだろう。追い打ちをかけるように、1度目の宣言の終結に費やした1カ月半以上の自粛期間が必要と専門家から声が上がっている。その川下では、仕入れ先や取引先などに影響が飛び火するのは必至だ。川上においてもテナントの経営環境の悪化に伴う家賃の滞納や倒産などの増大が見込まれる不動産業も同様だろう。

 1度目の宣言以降、必要な所に必要な支援が行き届いていないという悪循環が露呈した。これに起因して飲食店の倒産は過去最高水準に達し、従業員やアルバイトなどの解雇や雇い止めも高水準で推移している。今回、支援や助成も厚く拡充されたが、再度の自粛要請がこれらに拍車をかけることは容易に想像できる。店舗・事務所の賃料支払い、個人でも住宅ローンの返済や住宅家賃の支払いが深刻化する可能性も否定できない。不動産業も苦境に直面するテナントや大家、個人顧客を支えることに注意を払わなければならない。一方でテレワーク環境の一層の深化に努めることも求められる。

 国内で新型コロナが確認されて約1年が経った。ほぼ出尽くした感がある公助に過大な期待は禁物だ。一人ひとりが危機感の薄れを改めて、自分や家族の安全は自力で守る覚悟でこの危機を乗り越えたい。

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