総合 決算

次期以降の減配予測 空室率拡大を懸念 JRE、20年9月期

 Jリートのジャパンリアルエステイト投資法人(JRE)が11月16日、20年9月期の決算を開示(関連記事=Jリート決算)。11月17日には電話会議形式で決算説明会を開いた。JREのポートフォリオ(月額賃料ベース)では、オフィステナントが90%超を占める。

 今期、1口当たり分配金(利益超過分配金含まず)は増配。13期連続で増配を達成したが、次期以降は減配を見込む。予想には物件の売却益や外部成長(物件取得による資産規模拡大)を含んでいないため、多少の上振れはあるとしつつ、JREの運用会社であるジャパンリアルエステイトアセットマネジメント(東京都千代田区)の梅田直樹社長は「ポートフォリオの空室率が拡大し、内部成長(保有物件の収益増加)がマイナスに転じる。分配金が少しずつ下降していく」と予測した。

 対策として、今後は物件売却益最大化のために、運用会社にインセンティブが働く報酬体系に変更。投資主への還元のために期末内部留保額の20分の1程度を毎期分配する考えだ。

 一方、梅田社長はオフィス市場について「短期的には空室率が上がり、賃料は伸びにくくなる。当社は(賃料は)ピークアウトしたと見ている。来年には、企業は新しい働き方を試すフェーズに移るのではないか。様子見をしていた企業も動き出す。ただ、よりよい立地、より快適なオフィスを求めるテナントも増えると予想している」と展望した。