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コロナ禍で対策商品活発に 朝日ウッドテック 床からのウイルス拡散対策 日本初、SIAA認証フローリングを発売

 コロナ禍でウイルス対策商品が活発化している。フローリング製造メーカーの朝日ウッドテック(大阪市、海堀哲也社長)は11月4日、都内で「日常生活における〝床〟を起点としたウイルス拡散実験」結果の解説イベントを開催した。コロナ禍の中、家の床からの感染リスクを可視化・動画化し、東邦大学感染制御学研究室の小林寅喆教授が解説を行った。併せて、日本初のSIAA認証を受けた同社の抗ウイルス仕様の挽き板フローリング「Live Natural Premium」を紹介した。同商品は10月1日から販売開始し、スタンダードタイプの価格は約1万6280~3万310円/m2(税抜き)。このほか、パナソニックや大和ハウス工業も商品を発表した。

 飛沫落下実験(特殊なカメラで測定)では、くしゃみはおよそ1.5メートル付近まで飛ぶことが分かった。床からのウイルス拡散実験では、ウイルスを含んだ飛沫に見立てた蛍光塗料を床に塗布し、日常行動によって床を起点に室内の様々な場所にウイルスが付着していくことが確認された。

 小林教授は、新型コロナウイルスの生存期間は空気中では3時間ほどだが、ステンレスや床では2~3日になると説明し、「空気感染対策だけでなく、床を衛生的に保つことや複合的な感染対策が必要だ」と話した。

 続いて、同社の海堀直樹常務取締役営業本部長が「床についての意識調査結果」(10月実施)を発表し、室内で感染症対策を行っているのは、スマホなど外出時に携帯するもの(49.3%)、テーブル(44.3%)、洗面所・浴室(41.8%)が上位で、床は17.5%と低かったと説明し、「生活のあらゆる場面で、手や足の裏が床に触れている。また、子供は床に触れる機会も多く、衛生的な生活を床で実現したい」と話した。

 同社の芳ヶ迫隆司常務取締役商品部長が「Live Natural Premium」の説明を行った。上塗り塗装の中に銀系の抗ウイルス剤を配合し、銀イオンが酸化還元反応により、ウイルスの有機物を破壊・変質させて無害化させる。結果、新型コロナウイルスやインフルエンザなどのウイルスAタイプ(脂質の膜あり)でも、ノロウイルスなどのBタイプ(同なし)でも24時間後には99.9%以上の減少が確認された。

 また、SIAAの安全基準である経口毒性や皮膚の傷口への刺激性、皮膚のアレルギー、細胞を突然変異させない(変異原性)など4項目も合格。芳ヶ迫常務は、第三者機関のSIAA(抗菌製品技術協議会)の抗ウイルス性能の認証済みだと説明し、「抗ウイルス塗料を配合しても天然木と同等の素材感を実現している。床は人がいつも触れているので、衛生面の機能を付与していく」と話した。