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大言小語 距離感をつかむ

 ガラスの灰皿が飛んできたときは驚いた。まだまだ若手と呼ばれていた頃の話だ。コンプライアンスを重視する今の社内で起これば、大変なことになる。

 ▼そろそろ木枯らしが吹き始める。様々な意味から、そわそわしだす社員たちがいるはず。ボーナスや冬休み、初の「オンライン忘年会」を試みる企業がありそう。しかし参加を強制したり、自宅だからと、ついつい飲み過ぎて羽目を外せば、痛い目に遭うかもしれない。

 ▼パソコン画面越しで危機意識が薄れがちになる。酔って失言でもすれば、「セクハラ」に発展する可能性も。何にでも付けられる「ハラスメント」は便利な言葉だ。職務怠慢を指摘しても、時に「パワハラ」とされ、問題の本質を見えなくされる時代。そもそも上司も怠慢なら、何も言わない言えずに、仲良しの職場に怠慢がまん延するだけで心配無用だが。

 ▼不動産業界でもオンライン接客が普及した。画面越しでの意思疎通の工夫が重要になり、印象を良くするためにメーキャップなどを指南するサービスも生まれている。非対面では顧客の判断・意思決定にうまく背中を押せず、もどかしさを感じる担当者が少なくないはず。

 ▼トラブル・クレームの対応も同じだろう。距離感をうまくつかみ、どのように相手の真意をくみ取るのか。オンライン運用のあり方を企業や個人で考えねばならない。ただしオンラインならば、モノを投げられる恐れはなさそう。