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大言小語 禍転じて

 第1波か2波なのか分からないが、感染が拡大し続けている新型コロナウイルス。しかし幸か不幸か良い面もあるという。子供たちがかかる病気、例えば手足口病などの患者が減っているというのだ。手洗いの徹底、マスク装着といった新型コロナウイルス対策が他の病気の予防につながっている。皮肉なものだ。

 ▼そういえば、筆者も毎日3回は測定している体温がほぼ36度台で安定している。コロナ禍前は、風邪っぽいときや深酒の次の日などは37度以上になることはざらだった。昼から酒を飲むなんてこともせず、淡々と飲んで、次の日淡々と仕事をする、の繰り返しである。まさに「禍、転じて福と為す」だ。

 ▼人間の体だけでなく、大気も影響を受けている。九大教授の竹村俊彦氏は、「新型コロナウイルス蔓延に伴う社会経済活動の制限により、大気汚染物質の濃度が下がったことは、現場観測や人工衛星からの観測によって把握されている」と話す。

 ▼ただ、新型コロナウイルスの影響を受けないものもある。それは、気象だ。経済活動の制限で夜の気温が下がり、ヒートアイランド現象が治まり、ゲリラ雷雨などが少なくなると予想していたのだが、令和2年7月豪雨のように、変わらず線状降水帯が出現し、大きな被害が出ている。これからの台風シーズンも心配だ。自然を完全に人間が支配するなどはおこがましいが、どうか被害を少なくと祈るばかりである。