総合

大言小語 仕事を奪う敵か味方か

 ローソンと富士通は明日26日に、マルチ生体認証技術を活用した〝レジなし〟店舗システムの実証実験を神奈川で始める。手のひらの静脈と顔情報のみで非接触に本人を特定。クレジットカード決済により手ぶらでの買い物の実現を目指す。

 ▼実験では、来店客の動きや動作時間、購買動機、再来店の意欲などについて調査と分析を重ね、顧客の利便性や売上増加の効果を検証する。年齢制限商品も販売できるようにするそうだ。既に不動産業界でも、マンションのエントランスの顔認証やスマートロックなどの導入によりセキュリティ性を高めつつ、合わせて利便性の高まるサービスが普及し始めた。

 ▼賃貸の手続きでは、電子契約の活用が実務に入ってきた。イタンジは、部屋探しからセルフ内見の予約、入居申し込み、契約までを一気通貫にウェブ上で手続きできるサービスを提供。ニーリーでは、月極駐車場で同様なオンライン契約サービスの提供を始めている。家賃保証会社や保険会社とも連携し、誰にも直接に会うことなく簡易に賃貸契約を結べる。

 ▼この流れに抵抗することはできないだろう。先般の東京モード学園の卒業制作展のテーマでは、「敵?味方?AI時代を生きる」が掲げられた。便利な〝最新技術〟とどのように向き合うのか、学生たちは作品で表現した。社会人の我々ならば、仕事を奪う敵ではなく、味方として取り込むことも容易、なのではないだろうか。