総合

大言小語 消えてゆく日本

 いずれは日本語が通じない時代が到来するかもしれない。孫との会話は外国語だろうか。コンビニエンスストアで外国人スタッフが増えて流暢に日本語で接客してくれているが、将来はこちらが外国語で話すことになるかもしれない。総務省が住民基本台帳に基づく1月1日時点の人口動態調査の結果を発表した。

 ▼日本人の人口は、前年よりも約43万人減り、1億2477万6364人となったそうだ。10年連続で減少しており、68年の調査開始以来、減少幅が40万人を超えたのは初めてだという。一方の外国人は、約16万人増え、過去最多という266万7199人となった。この外国人全体のうち、約85%が生産年齢人口といい、国内産業の人手不足を補っている形だ。

 ▼自身を思い返すと、団塊ジュニア世代として中学校は8クラスもあった。運動会ではまち全体に声が響くほどに、また、後に近隣地の新設校へ転校するほどに、子供があふれていた。いわゆる旧住宅公団の団地住まいだったが、近くの公園では夕方遅くまで、日々元気な声であふれていたものだ。

 ▼帰省すると、この30年ほどで、そうした姿は消失したかのようだ。国内産業を維持発展するには、やはり、外国人労働者に頼らなければならない現実に直面している。これまでのように、単にイメージだけで賃貸住宅への入居を拒んでいては、日本人どころか、外国人さえも住む人がいなくなりかねない。