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大言小語 苦労の先にあるもの

 先日、静岡県にある妻の実家に行った。両親が趣味で実施している養蜂の手伝いをするためだ。みかん畑の近くにタダ同然で土地を借り、巣箱を設置し、はちみつを採っている。商売ではなく趣味なので、無理にはちみつの量を増やす必要もない。正真正銘、混ざりものなしの天然はちみつを頂くことができる。詳しく栄養について調べていないが、採れたてのはちみつは、少し食べるだけで健康になれるような気がする。

 ▼作業は蜂に刺されないように、網をかぶり、手袋をして完全防備で行う。明らかに人間に対し威嚇を繰り返し、耳元から離れない蜂もいる。わずかな隙間から網の中に進入されてしまい、大騒ぎしてしまった。幸い刺されることなく作業を終えたが、作業後も蜂に威嚇されたときの音が耳から離れない。はちみつをなめながら、「甘い蜜」を得るためには大変な苦労が必要となることを改めて感じる機会になった。

 ▼はちみつは、古代のエジプトでも薬などに活用されていたと聞く。その当時、初めてはちみつを発見し採取した人は本当に勇気があると思う。東京で働く日常に当てはめて考えてみると、新たなプロジェクトの担当、初めて行う業務には様々な苦労や困難が伴う。しかし、勇気をもって努力を積み重ね、困難を乗り越えた先には、はちみつのような「甘い蜜」があると信じ、これからも挑んでいきたいと思う。