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大言小語 田舎暮らし

 新たに始まったNHK連続テレビ小説「まれ」。能登半島にある小さな漁村が舞台で、夢が嫌いな少女が夢を見つけ、それを花咲かせるストーリー。いま話題の「田舎暮らし」も一つのテーマである。第1週の平均視聴率は20.6%。「あまちゃん」など近年続く好走ランナーのバトンをうまく受け取ったようだ。毎日の録画を視聴できる週末の楽しみが、また続く。

 ▼政府は「地方創生」を旗印に、国を挙げて地方の過疎化問題に取り組んでいる。何よりも人が集まらないことには始まらない。都会からの移住者を迎え入れる「田舎暮らし」だが、決して順調に進んでいるとは言い難い。

 ▼「都会人」と「田舎人」。水と油のように相容れない部分がどうしてもある。「よそ者」から、「都会での生活に失敗した」「ここでやり直したい」と言われて、田舎の人が即座に心優しく、よそ者を受け入れられるはずがない。「失敗して逃げ出した場所、やり直す場所に、何十年も我々は生きている」。テレビ小説でも、「田舎なら何とかなると思ったら間違いだ」と一喝するシーンがあった。

 ▼田舎暮らしを選択する人には様々な理由があるだろう。好きで来た訳ではないかもしれない。ただ、本当にこの地で生きていくという決意が伝われば、田舎の人の心も開く。生粋の「田舎出身者」としてこれだけは言える。田舎の人は、一度心を開いた人には、とっても温かい。