政策

大言小語 高齢者住宅表彰制度に期待

 高齢者住宅経営者連絡協議会が最も優れた取り組みを行っている高齢者住宅を表彰する「リビング・オブ・ザ・イヤー2014大賞ホーム」に、福岡県太宰府市にある住宅型有料老人ホーム「アクラスタウン」が選ばれた。同制度は今年が1回目。今回のエントリー対象は11年4月以降に開設された高齢者住宅で、全国から61ホームが応募した。

 ▼最終選考に残った7ホームのプレゼンテーションと大賞選考会が9月12日、都内で行われた。各ホームからのプレゼンで共通していたキーワードは、「地域との交流」「介護スタッフの育成・人間力」「尊厳ある看取り」などだった。大賞を受賞した(株)誠心の吉松泰子社長は長年、看護師として高齢者の看護と介護に携わってきたが、病院での看取りに疑問を感じ、自ら高齢者住宅を立ち上げた。吉松さんは言う。「高齢者が最期まで人間としての誇りと生きる喜びをもって生きる。つまり人生を全うするためのお手伝いをさせていただくこと。それが私たちの考える看取りです」

 ▼20年には高齢者人口が3600万人、高齢化率は30%に達し、後期高齢者の数が前期高齢者を上回る。確かに国難とも言える深刻な問題だが、現在70代前半の要介護認定率は6%にとどまる。要は年を取っても、生きがいや人生の目標を見失わなければ健康寿命は延ばせる。高齢者を元気にしてくれる高齢者住宅こそ必要だ。更なる進化を期待したい。