政策

大言小語 地方創生で注目を

 デフレ脱却と財政再建を掲げた、第2次安倍内閣の布陣が決まった。留任が目立った一方で8人が初入閣したことや、過去最多に並ぶ5人の女性閣僚の誕生などが話題となった。大臣の就任あいさつでは、閣僚間に温度差も垣間見られた。印象的だったのが、デフレに対する認識だ。デフレ脱却まだ道半ばとする大臣もいれば、既に道筋が見えたような話しぶりの大臣もいて、認識の差に不安も覚える。

 ▼政権発足以降、株価が大きく回復するなど、日本経済に明るい兆しが見えてきたのは事実だ。しかし、国民の資産であり、社会財でもある住宅・不動産に目を向ければ、デフレ脱却には程遠い。地価の回復は人口流入が続く大都市圏にとどまり、地方や農村部では今もなお地価下落は深刻だ。

 ▼地方の衰退に歯止めをかけるべく、地方創生大臣というポストが今回、新設された。地方創生を重視する、内閣改造の目玉のひとつと言われている。自民党幹事長だった石破茂氏を同大臣に起用したことで、就任前から話題に挙がったポストだ。

 ▼地方衰退の背景には、若者の都市部への流出が大きな要因の一つとして指摘されている。一方で50、60代の地方回帰という流れもここにきて生まれ始めているという調査結果もある。改造の正念場を迎えた日本社会。地方を創生に導く政策でも、大いに注目されるように期待したい。