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大言小語 第4の矢は内需の柱

 金融緩和、財政出動は一定の成果を見せた。続くアベノミクス・第3の矢に期待が高まっている。3本目の矢となる成長戦略では、民間投資を促す政策が相次いで打ち出されている。注目されるのは法人税減税で、実行税率を20%台へ引き下げる目標が示された。減税で企業の投資活動が活発化するうえ、海外から日本への投資促進、海外移転の防波堤としての効果も期待される。

 ▼民間投資が活性化して景気回復を確かなものとし、税収増加への循環を生み出すのが成長戦略の狙い。デフレ脱却と財政再建への道筋も見据えている。法人税減税こそ、「経済の好循環」を掲げる成長戦略の象徴ともいえる。もちろんその財源確保は避けられないが、それを上回る成果をもたらせるか、アベノミクスの成果が問われる。

 ▼減税で実をとるロジックは、住宅市場では定番だ。ローン減税、贈与税非課税、低金利など過去幾度とない政策誘導で住宅市場は浮き沈みを繰り返してきた。その住宅市場は現在、消費増税による持ち家着工の落ち込みが続いている。10%増税で分譲マンションが息切れすれば、景気回復に急ブレーキが掛かるのは必至だ。今こそ、民間投資の中で波及効果が高い内需の柱、住宅投資の促進を第4の矢に据えれば、景気の好循環にドライブをかけることができる。アクセルとブレーキを同時に踏む過ちは、繰り返さないことだ。