総合

大言小語 心に余裕を

 景気が回復し、バブル時と同じでタクシーがなかなか捕まりにくくなっているのは困りごとだ。しかし、もっと気になるのは帰りの電車で乗客同士の口論や揉めごと、改札口やホームで乗客と鉄道員とのトラブルが増えていることだ。

 ▼先日も、ドアのそばに立っている人が降りずに、乗ろうとした女性と口論になり、女性の胸ぐらを掴みながら暴言を吐き、女性も紙面に表示できない言葉を発していた。いやはやなんともである。

 ▼もっとも、酒の匂いが漂う夜だけではない。朝の通勤時も昼の移動時でもこうした光景は目につく。最近では、電車から降りる人がスマホやゲームなどを見ながら、ゆっくり降りるものだから、乗るほうが発車ベルなどに急かされ、強引に乗り込み、そこで揉めるなどというケースもある。いわゆる「ながらスマホ」の悪い影響だ。

 ▼鉄道事業者も手をこまぬいているわけではなく、最近ではベビーカー利用に関するキャンペーンなどを行い、一定のルールづくりにも取り組んでいる。しかし、鉄道事業者自体も、12年度のデータでは全国で932件の暴力行為に見舞われている。

 ▼人の行為を監視したり、小さなことでもすぐネットで文句をつける。自分のことだけ考え、他人がどう思うかを判断しない。住みにくい世の中になったのはいつからなのだろうか。