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大言小語 情報への視線厳しく

 大手住宅供給会社の広報担当者で組織する「住宅広報連絡会」が発足から20年の節目を迎えた。同会は、会員各社間の情報交換や意思の統一を図り、迅速かつ的確な広報対応に努めることを目的に、参加19社により平成6年に活動を始めた。

 ▼翌年には早くも阪神淡路大震災という大きな試練に直面した。住宅営業の最前線は一時、耐震性能を引き合いに出した誹謗中傷合戦の様相を呈したからだ。震災復興が最優先事項となる中、同会が中立・公平な視点でこの事態に対処し収拾に導いた。こうした経験が2年前の東日本大震災でも生かされたことは言うまでもない。

 ▼折しも阪神・淡路からちょうど19年後の1月17日、発足20周年の記念式典があり、歴代代表幹事によるリレー講演会が開かれた。企業広報におけるそれぞれの貴重な経験談はもちろんのこと、思い出話にも花が咲くなつかしい声が聞かれた。その中で、近頃は政府の官房長官経験者が総理大臣を務める時代、業界内でも広報経験者が経営トップに上りつめることも珍しくないとの指摘があった。広報という仕事の重要性が社会全般で認められてきた表れだ。

 ▼一方、昨年末に強行採決の末に成立した特定秘密保護法に象徴されるように、情報統制への懸念も広まりつつある。情報を操る広報や報道に対する世の中の視線もまた一段と厳しいものになるに違いない。