総合

大言小語 女性の活躍が成長に

 男女格差の国際比較で、日本は136カ国中105位にランクを下げ、過去最悪の順位に甘んじた。経済・教育・政治・健康の4分野で男女格差を測定するこの報告をまとめた世界経済フォーラムは、女性議員の減少と、「経済活動への参加と機会」のスコア向上が目立たなかったことを日本後退の理由に挙げている。

 ▼男女格差が小さい国はアイスランド、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンの北欧が上位を独占。これにフィリピンが5位で続いたが、中国69位、韓国111位とアジアの出遅れ感は否めない。

 ▼「指導的地位に占める女性の割合を20年までに30%程度に高める」という政府目標もあり、折しも安倍首相が「女性の活躍」を成長戦略のひとつの柱として掲げた矢先の報告で、冷や水を浴びせられた格好となった。汚名返上とその政府目標を達成するカギを握っているのが、住宅・不動産業界だといっても過言ではないだろう。その理由は、昨今の業界動向を見れば一目瞭然だ。

 ▼男性より生活や暮らしに対する意識が高い女性は、以前から住宅に関わる仕事に向いていると言われてきた。そうした女性の優れた感性を商品企画に生かすことは、今や業界では当たり前になりつつある。全ての社員を女性にしている会社もあれば、女性専用の賃貸店舗まである。「女性の活躍」の場にふさわしい業界が、一役買って出る絶好の機会だ。