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大言小語 4年前のこと

 スポーツの祭典、ロンドン五輪が開幕した。16日間にわたって世界のアスリートたちがメダルと栄誉の獲得を目指して熱い戦いにしのぎを削る。前哨戦で快勝した「なでしこ」と「サムライ」のサッカージャパンの勢いにあやかって、日本選手団が持てる力を存分に発揮し、活躍してくれることを楽しみにしたい。

 ▼不況の暑い夏は、政治経済、社会に難問を抱え、まさに内憂外患の厳しい状況ある。国内では、国民生活や経済活動と直結する消費税増税、原発再稼働とエネルギー問題、米軍基地への「オスプレイ」配備問題など。その中で住宅・不動産業界が神経をとがらせているのが消費税増税問題だ。97年引き上げ時の苦い経験がある。需要層の所得減少が続く今回、軽減措置がないと受ける打撃は前回の比ではないとの見方だ。海外では、対応の実が上がらない欧州債務危機と円の独歩高の進行がある。五輪は、それらを一時的に凍結、忘れさせてくれるオアシス、「平和休戦」と考えればいいのか。

 ▼忘れもしない4年前。中国が国家の威信を賭けた大がかりな演出を売り物にした北京五輪があったその直後、「リーマンショック」が発生した。金融危機と世界同時不況に突入したのは記憶に新しい。火種はくすぶっていた米国のサブプライム住宅ローン問題だったが、金融の状況はあまり変わっていない。宴の後の〝悪夢〟の再現はご免被りたい。