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札幌に10階建て耐火木質ビルを熊谷組と初の共同体で施工、住友林業

住友林業と熊谷組は6月27日、北海道札幌市で両社の中大規模木造建築ブランド「with TREE」シリーズの、地上10階地下1階建ての耐火木質ビル「(仮称)KAGAプロジェクト」を着工した。両社の共同事業体による施工は今回が初めて。

両社は2017年に業務・資本提携して以来、8分野で分科会を立ち上げ協業に取り組み、21年に中大規模木造建築分科会が同ブランドを発足。住友林業の森林・木材に関する知見と、熊谷組の鉄骨・鉄筋コンクリート造の大規模建築に関する知見を融合し、資材の調達から建設コンサルティングまでを展開している。

観光やビジネス鉄骨造りなどの中心地である北海道札幌市中央区南1条通に面した敷地139・05平方メートルに、延べ1102・42平方メートルの1・2階がカフェ、3~8階がオフィス、9・10階が住居からなる鉄骨造の地上10階地下1階建てを建設する。

7~10階に、1時間耐火で大臣認定を取得した鉄骨内蔵型の耐火集成材を採用することで、鉄を熱から守るほか、中高層建築で構造設計と確認申請が木造より容易でコスト削減と汎用性を実現する。梁には今年5月に大臣認定の範囲を拡大した、1時間耐火構造の木質ハイブリッド集成材有孔梁を採用した。梁に直接配管を貫通することで、建築費全体のコストを削減するほか、デザイン上の制約を抑え、意匠性の向上を図る。

梁と柱の被覆木材には北海道産のカラマツを採用する。構造躯体に使用する木材は39・9平方メートル、炭素固定量は31・8トン(CO2ベース)で、計画地の7・2倍相当規模のカラマツの森が吸収するCO2量に相当する。

竣工は23年6月の予定。