日本が抱える不動産問題に立ち向かえ!「空き家」活用のススメ

空き家再生で「遊休施設の収益化 × 定住人口の増加」を狙う

◇山形県が空き家買取販売モデル事業を開始

山形県では、東北芸術工科大学などと連携し、空き家の買い取り販売のモデル事業をスタートした。築36年築古の空き家を、山形県すまい・まちづくり公社が取得。同大教授のデザイン監修でリノベーションし、子育て世代向けに売り出すというものだ。

購入者は、県や地元自治体の補助も受けられる。山形県外に居住する空き家所有者にも積極的に活用を働きかけるとともに、県公社を通じて他自治体にも同様の活用を呼びかけ、年間数棟を取得・改修して販売する計画としている。

◇桶川市が空き家活用で子育て世代の定住狙う

埼玉県宅地建物取引業協会の彩央支部では、昨年の春に桶川市との間で空き家対策に関する協定を締結した。

空き家が適切に管理されていない要因が複雑化・多様化していることを受け、行政だけでは解決が難しいとして不動産業界団体の協力を仰ぎ、子育て世代や住まいを探している人の定住促進を狙っている。

桶川市は、空き家所有者の「空き家バンク」への物件登録を募集し、利用希望者に物件を紹介。彩央支部の会員業者が売却や賃貸の仲介で協力する。

◇NPO法人が世田谷区の空き部屋活用事業で子供を預かる活動を展開

地域貢献型のモデルでは、NPO法人かぞくの杜が、世田谷区の募集している空き部屋を利用。学童保育をしていない夜や土・日に子供を預かる活動を展開している。このモデル事業では、空き家や、子どもが独立して使わなくなった戸建ての空き部屋などの活用に対し助成が受けられる。

世田谷区では、オーナーと利用団体をマッチングする窓口を設置しており、NPO法人かぞくの杜は、空き家を改修して1階に学童保育室、2階にスタッフが居住するスペースを備えるのに必要な耐震改修や初期整備費用の補助、専門家派遣などの支援を受けた。

空き家・空室対策は、人口減少社会にあって地方だけの問題ではない(写真はイメージ)

◇京浜急行電鉄グループがリノベーション付きサブリース事業で空き家を活用

京浜急行電鉄グループでは、リノベーション付きサブリース事業で空き家を活用。東京23区などで空き家を借り受け、リフォームした上で6年間サブリースするサービスを展開する。また、巡回管理などを代行する系列会社では、空き家の駐車場の利活用にも取り組んでいる。

京急沿線の活性化の一環としての取り組みで、人口減少や高齢化が顕著な横須賀市や横浜市南部のほか、空港就労者向けシェアハウスへの用途変更を見込んだ東京都大田区などのニーズを想定する。

オーナーのリフォーム費用負担がなく、サブリース期間中は、京急電鉄が査定した賃料の10%の家賃保証もつく。戸建てやアパート、マンション、長屋などのほか、ビル、店舗、倉庫などあらゆる物件も対象としている。

オーナー募集と賃貸管理を京急不動産が、リノベーション設計・施工を京急リブコとルーヴィスが、集客・入居者募集をルーヴィスグループが手掛ける。

◇横浜市立大学と横浜市金沢区が共同プロジェクトで空き家をシェアハウスに

横浜市立大学、横浜市金沢区との産官学連携事業「ヨコイチ空き家利活用プロジェクト」では、空き家再生の一環として、金沢文庫駅から徒歩7分ほどの築40年・2階建ての空き家を、日本人学生と留学生向けシェアハウスにリフォーム。

このケースでは、横浜市立大学が一括借り上げしてシェアハウスとするほか、地域住民との交流の場として活用した。

空き家を再生・活用することにより、町に人が集まり、賑わいが生まれる。空き家再生に待ったなし。遊休不動産の活用が地域の活性化に繋がり、ひいては投資家のビジネスチャンス拡大にも繋がる事例は、これからも全国で増えていきそうだ。

(参照:空き家再生に待ったなし、産官学の協力で「遊休施設の収益化 定住人口の増加」


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