大相続市場の登場を目前にした住宅不動産業界の課題

大相続市場の登場を目前にした住宅不動産業界の課題(5)

全国でもめない相続の実現を目指す

 ハイアス・アンド・カンパニーが運営する新・不動産ネットワーク「不動産相続の相談窓口」は、不動産コンサルティングのビジネス化を目指し、不動産相続に関する知識と顧客の相談に応じるためのコンサルティングスキル、多様なソリューション提案力を備えることで、地域の地主や富裕顧客から自宅や遊休地、収益資産などの不動産資産に関する相談をいただく窓口となる地域密着不動産ネットワークだ。

 家計資産の約7割は高齢者層が保有しており、「資産移転市場」という巨大市場の発生が見込まれる。その資産の規模は平均で年間37兆円(12年・日本総研)という試算もあり、不動産資産が動く相続を商機とするべく着々とネットワークを広げている。

 「不動産相続の相談窓口」は個人の「もめない相続」の実現を目指しております。通常、個人が相続時の相談先としてイメージを持つのは士業や金融機関といった先ですが、そこでの相談は実際に相続が発生してからのことも多く、また何よりも資産の大半を占める「不動産」の相談には乗れていないことから、相談先としては大切な「不動産相談」の機能が足りていないと考えています。「不動産」に精通したプロフェッショナルこそ、相続を学び、資産相談に応えられるようになるべきだとお伝えさせていただいています。またこの相談活動を通じて相続時に滞りがちな不動産資産の移転を促し、スムーズに流通させることで、空き家などの不活性資産ができることを防ぎ、そのエリアの不動産価値を維持するという大きな意義もあります。「不動産相続の相談窓口」本部では、そうした相談に乗れるプロフェッショナルを育成していくための研修体系を取り揃えています。

 相談窓口では地域の不動産オーナーに「相続や不動産のことで何かあったら○○社に行けばいい」という認知をしていただくことが必要になりますので、看板を掲げ、定期的な相続勉強会を実施し、販促をかけていくことになります。定期的な相続勉強会は開催する側からすると大変なものですが、だからこそ継続することで競合他社に参入されない状態を築けます。相続勉強会を開催するにあたり、顧客リストのリストアップ手法、ダイレクトメールのひな形、充実した相続勉強会のレジュメ、相続勉強会開催手法を学ぶ研修会、実際に勉強会を撮影した復習用の動画コンテンツなど、勉強会開催にあたりハードルになるものはすべて解除できるようコンテンツをご提供しています。そうしたスキルを備えた相談窓口が全国にあることで、地域間の連携も可能になります。本部としてもこの窓口が不動産オーナーの目に留まるように各種媒体に販促活動を継続していきたいと考えています。

『家族の幸せと財産をつなぐ不動産コンサルティング~もめる相続 もめない相続 カギとなるのは不動産~』

○著者=川瀬太志・矢部智仁・不動産相続の相談窓口プロジェクト
○発行=住宅新報社
○定価=1200円(本体、税別)

 不動産相続の相談窓口では「新・不動産ネットワーク 不動産相続の窓口事業説明会」を全国各地で開催している。詳しくは、「不動産相続の相談窓口セミナー」を参照

谷原弘堂(たにはらこうどう)

2010年ハイアス・アンド・カンパニー(株)に入社し、「不動産相続の相談窓口」プロジェクトの責任者を務める。不動産会社を中心に100社超のクライアントを担当し、金融資産としての不動産の「維持・運用・承継」を考えられるアドバイザーの育成を目指している。