ど素人から金持ち大家さんになった人々

第17回 都内に高利回り物件を建てて家賃8,700万円を稼ぐケイマンさん

京萬満夫さんのプロフィール
196×年石川県生まれ。2001年に「金持父さん貧乏父さん」を読んだのを機に、不動産投資を始める。主に都内に新築物件を建てる手法で、サラリーマンをしながら家賃年収8,700万円の規模まで拡大。2013年に長年勤めていた会社をセミリタイヤし、専業大家に。2014年以降は海外不動産への投資をすすめている。

■ 初物件は中古アパート、2棟目以降は新築にシフト

――自己紹介をお願いします。

京萬満夫さん 
都内の新築物件を中心に不動産投資をしている京萬(ケイマン)です。2001年に不動産投資を始め、東京23区内に5棟67室を所有しています。投資総額は約9億円で、家賃年収は約8,700万円です。20年以上、某お堅い系企業のサラリーマンを勤め、2013年7月にセミリタイヤしました。

――不動産投資を始めたきっかけを教えてください。

京萬満夫さん 
ありがちですが、2001年に「金持ち父さん・貧乏父さん」を読んだことです。それまではサラリーマンとして上り詰めることが成功だと思っていたので、「サラリーマンはラットレース」という一文を読んで愕然としました。

すぐに不動産投資に興味を持ち、半年後には板橋区にある1K×10室で利回り12・6%の中古アパートを買いました。当時は「SUUMO」の後半の収益物件のページが唯一の情報源。融資も簡単ではなく、銀行で「危ないことをするな」とお説教されたこともあります。最終的には、不動産会社に紹介された金融機関で融資を受けられました。

――大家になってみて、どう思いましたか?

京萬満夫さん 
ローン返済後も毎月20万円が残るし、思ったより手間もかからないので、もう少し増やそうかなと。ところが、中古ではいい物件が見つからず、2棟目は新築することにしたんです。土地探しや設備の選定はマイホームで経験があったので、比較的スムーズでした。

具体的には、自分で探した土地に、1棟目でお世話になった不動産会社から紹介されたゼネコンさんでアパートを建てました。場所は江東区で、価格は土地と1K×6戸の建物を合わせて約5,100万円。土地込みでも利回りは10%を超えました。

■ 株で5,000万円を失い、不動産投資から6年間遠ざかる

――土地から探して新築を建てるとなると、自己資金をかなり入れる必要があるのでは?

京萬満夫さん 
5,100万円のうち、2,100万円は自己資金です。独身時代は格安の借り上げ社宅に住み夕食も会社で出て、車も持っていなかったので、自然と貯まっていました。その貯金も2棟目を建てたところで底をついたのですが、そこでやめようとは思いませんでした。

というのも、この年にエクセルを使って、「80歳までにお金をいくらまで増やせるか」を計算したところ、不動産投資と給料を合わせれば、無理なく純資産1億8,000万円までいけることが判明したんです。その時点で、長期的に不動産投資に取り組むことを決意しました。

――しかし、もう頭金はありません・・・。

京萬満夫さん 
急いで頭金を貯めるため、1995年から始めていた株に、本格的に取り組むことに。主に不動産系の新興企業の株を買い、一時期はすごく儲かりました。「家賃は月に100万円も増えないが、株は毎日100万円増える」と有頂天になっていた時期もあります。

ところが、2006年のライブドアショックで、含み益も含めると5,000万円が水の泡に・・・。それだけでなく、FXでも外車を買えるくらい損を出してしまい、3年くらいはおとなしくサラリーマンだけをしていました。今でも苦い思い出です。

■ 6年ぶりの投資物件は世田谷区の1K×14戸アパート

――なるほど、2001年の1棟目、2003年の2棟目のあと、3棟目を買うまでに6年も期間があいたのは、そのためなのですね。

京萬満夫さん 
そうです。大金を失い、不動産ももう無理かもと思っていました。ところが、2009年に入って世の中を見回すと、不動産投資がすっかり市民権を得て、フルローンも出ているというではありませんか。そこで、ある金融機関を訪ねたところ、断られるどころか、「拡大するなら、1棟目の中古アパートを売った方がいい」とアドバイスをもらったんです。

借入のある築古物件は、いわゆる「与信を毀損した状態」になりやすいのでしょう。もったいないと思いましたが、売りに出したところ、買値を上回る5,100万円で売れました。打ちひしがれていた間も毎月、数十万円ずつ家賃が入っていましたし、株と違って一気に値下がりすることもないし、不動産投資ってすごいと、改めて思いました。

――1棟目のアパートを売却したお金と貯まったCFを元に、再び不動産投資の世界に戻ってきたのですね。どんな物件を買われたのでしょう?

京萬満夫さん 
探し始めてみると、中古では満足いく物件に出会えず、今度も新築でいこうと。すぐに、城南か城西地区のメジャー駅から徒歩10分以内と条件と決めて、土地探しをスタート。小田急線の祖師谷大蔵駅の近くに90坪・8,100万円の土地を買い、ロフト付の1K×14戸のアパートを建てました。利回りは10.5%です。

■ 金融機関から借りられるだけ借りた後、会社をセミリタイヤ

――3棟目を購入して毎月のCFが100万円を超えたそうですね。セミリタイヤが視野に入ってきたのでは?

京萬満夫さん 
そうですね。実は、2001年に不動産投資を始めたとき、10年後の2011年に会社を辞める計画でした。でも、某銀行から「会社員の属性を利用すればまだ借せる」といわれたこともあり、もう少しという気持ちで会社に残り、結局、2013年の7月まで勤めました。

すでに紹介した3棟の後、2012年に中野区に8戸のアパート、2013年に目黒区に14戸のマンションを建てたので、退社時の家賃年収は7,400万円あり、そのうちの半分弱がCFでした。

――セミリタイヤ後の2014年にも、中野区に11戸のRCマンションを建てたのですね。

京萬満夫さん 
はい。たまたま土地の検索をしていて、いいものが見つかったので銀行に持ち込んだところ、融資が通ってしまったんです。価格は2億円強で、利回りは8.7%あります。今の市況ですと、中古よりも安いですよね。サラリーマンを卒業しても融資が受けられたのは、ある意味、予想外でした。

後編:第18回 セミリタイヤしてわかったことと海外物件に注目する理由


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