ど素人から金持ち大家さんになった人々

第7回 会社員とオリンピックと不動産投資の3足のわらじ

天方エバンさんのプロフィール
1970年生まれ。日本IBMなどを経て、外資系証券会社のシステム部門に勤務。長野オリンピックから9回連続、現地で仕事を請け負うオリンピックの専門技術者でもある。1998年に南青山の区分マンションから不動産投資を始め、2010年に投資総額7億円で2棟のRCマンションを購入。約3,000万円のキャッシュフローを礎に、2012年にハワイに移住した。家族は妻と息子3人。著書に「不動産投資で“ハワイ”へ移住!」がある。

■ 大好きなオリンピックを中心に会社の仕事をスケジューリング

――自己紹介をお願いします。

天方エバンさん 
2012年に、家族でハワイに移住して、今はハワイ州の不動産取引士をしている天方といいます。不動産投資を始めたのは1998年。現在はRCマンションを2棟所有しており、年間のキャッシュフローは約3,000万円です。
32才のとき、「10年後に会社員を卒業する」と決めて、10年計画でその目標を達成しました。息子たちを英語圏で育てるという願いも叶い、今は毎日がHappyです。

――ハワイでは不動産業をされているそうですが、日本ではどんなお仕事を?

天方エバンさん 
IT系の技術者です。最初に就職したのは日本IBMで、長野オリンピックのスノーボード競技担当として2年間長野で働きました。会場で使用する競技結果システムを作ったり、世界中から集まる技術者や選手たちと交流したりするのが面白くて、それ以来、すっかりオリンピックに夢中です。

次のシドニーオリンピックも担当したかったのですが、無理と言われたので、日本IBMは2年で退社。その後、シドニーに単身で渡り、IBMオーストラリアの知り合いの紹介で、現地でオリンピックの仕事に携わりました。

――アクティブですね。その後もオリンピックに関するIT系の仕事を続けているんですか?

天方エバンさん 
はい。最初の長野から、9回連続で手伝わせてもらっています。ただ、開催前から現地に張り付いていたのはソルトレイクシティの大会まで。その後、日本の外資系証券会社のシステム部に就職したので、アテネからはオリンピックの期間中だけ、現地で仕事をするスタイルです。

2週間の大会中は、ものすごい人手が必要ですし、主催者側も勝手がわかる人間がいいからと、短期間でも歓迎してくれます。会社の方は有給休暇をためることで、長期の休みを取得できました。

■ 南青山の区分マンションの13年後の値下がり幅 

――会社に自分のやりたいことを限定されるのでなく、自分のやりたいことに合わせて会社を活用しているのですね。そんな天方さんが、なぜ不動産投資を始められたのですか?

天方エバンさん 
父も母も不動産関連の仕事をしているので、元々賃貸業になじみがありました。最初に買ったのは東京都港区南青山の新築1Rで、父から「投資向きだから持っておけば」とすすめられたのがきっかけです。

この物件は1998年に2,900万円で購入して、2011年に2,550万円で売却しました。1Rでも27平米の広さがあり、大型車の入る立体駐車場の権利もついていたので、価格が下がりにくかったのだと思います。所有期間中は外資系企業に勤めるOLさん等が借りてくださいました。

――1Rで2,900万円とは、さすが青山です。13年持って2,550万円で売れたというのも驚きです。

天方エバンさん 
2戸目の物件も港区南青山のもので、98平米の区分マンションを2002年に6,500万円で買い、2012年に8,500万円で売却しました。築年数が40年を越えているにも関わらず、著名な建築家の関係者の方が投資用として買ってくださいました。

あまり売りに出ない物件ですが、両親が同じマンションに住んでいたので、管理人さんに売り物が出たら教えてくれるようお願いしていたんです。

――やはり、南青山という立地の強みでしょうか。

天方エバンさん 
それと、売買の時期が良かったのだと思います。この部屋は2002年から2010年まで賃貸に出して、2010年からハワイに移住する迄の2年弱、自分たちで住みました。その後、移住に向けて手放したのですが、バブル直後の底値で買っていたことで売却益が得られ、賃貸中も利回り8%超という優良物件でした。

■ FXにはまってロスした期間がもったいない

――その後に買われたのが、現在も所有されているRCマンションですか?

天方エバンさん 
いえ。2007年に結婚したのを機に、目黒に自宅用の区分マンションを6,500万円で買っています。60平米超のルーフバルコニーがついた部屋でしたが、間取りを3LDKから2LDKに替えたり、無垢の床を貼ったりするうち、リフォーム代に1,000万円以上かかってしまいました。

ハワイ行きの準備のために2010年に売りに出したところ、大手広告代理店勤務のご主人と陶芸家の奥様というご夫婦が7,300万円で購入してくださいました。リフォーム代を考慮すると収支はマイナスですが、不動産屋さんには「ツイている」と言われました。僕もそう思います(笑)。

―― 天方さんのリフォームのセンスが、物件の価値を上げたのでしょうね。ところで、2002年から2007年の間に少し期間が空いたのは何か理由があるのですか?

天方エバンさん 
この期間は、FXにはまっていたんです。一時は儲かったのですが、最後は1,000万円の損失を出して撤退。やっぱり自分には不動産が向いているという結論に達しました。今思うと、この時期のロスはもったいなかったです。

このあと、会社員を卒業するという目標に向けて、大型のRC1棟物を探し始めました。ただ、フルローン前提で築年数も新しいものという条件だったので、なかなか出会えませんでした。最初に一棟マンションを買ったのは、2010年です。

後編:第8回 不動産投資で叶えた“ハワイ移住”の夢


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