登記情報を活用せよ

<第2回>欲しい内容を抽出する

【取材協力】
株式会社 JON 取締役営業本部長
眞木 仁(さなぎ じん)氏

眞木 仁(さなぎ じん)氏

株式会社 JON

株式会社 JON

行政情報を有効活用することの社会的気運が高まるなか、各種データベースの汎用型候補キーとなり得る「所在地番」および「住所」の全国レベルにおける調査体制を確立したほか、不動産登記にかかる高度かつクリーンな分析を可能とする「登記基本情報データベース」の開発に成功するなど、数々のユニークな実績を生み出している。
これらの成果が諸方面に導入されることで、不動産にかかる権利の明確化や取引の安全はもちろんのこと、社会生活における様々な利便や安心につながるものと確信し、さらに新たな事業・サービスの提供に努めている。

・不動産インデックス

 


 

<第6回>ビジネス上の優位性

<第5回>マーケティング機能

<第4回>より効率的な使い方

<第3回>「相続」に高まる期待

<第2回>欲しい内容を抽出する

<第1回>ビジネスのチャンスに

情報読み解き、更なる提案

 「登記情報活用コンサル会社」の登場により、不動産会社は土地や建物を売りに出す可能性の高い所有者に対して、ピンポイントで営業活動できる環境となった。では実際に、コンサル会社はどのような情報を不動産会社に提供しているのか。

登記簿

 東京・飯田橋に本社を構えるJONは、「不動産インデックス」という商品名で登記情報の提供を行っている。登記簿に記載される情報を基に、「いつ」「どこで」「どのような不動産に」「どのような目的の登記があったか」を独自にまとめ、データ化したものだ(表)。
 また、不動産会社が更なるピンポイント情報を取得できるよう、①「条件検索」と②「時系列検索」の機能も付けた。

多彩な検索機能

 ①の条件検索は、土地・建物・マンションといった「用途検索」、1年前から遡って最近までの情報が欲しいといった「登記処理年月の指定」、その登記が売買目的なのか相続なのかといった「登記目的」をそれぞれ指定できるもの。そのほか、エリア指定や用途地域選択も可能だ。この検索により、例えば「13年8月~14年4月までの間に、東京都世田谷区の第一種低層住居専用地域で、土地の相続が行われた情報」を、不動産会社は抽出取得することが可能となる。
 ②の時系列検索の一例を挙げると、売買の登記が行われた時期を起点として、過去に抹消登記が行われたかどうか、また、売買登記後に抵当権設定登記があったかどうかなどを指定して情報抽出できる機能のことだ。この時系列検索においては、「情報を読み解く」という要素が多分に入ってくる。
 具体的には、売買前に抹消登記が行われなかったということは、「売主にローン残債がなかった=売買代金が全額売主に入った」ということが予想できる。比較的資金に余裕がある層と読み取れ、不動産会社にとってはマンション投資などを提案する大きな機会となる。また、売買登記後に抵当権設定登記がなかったとしたら、買主はキャッシュで当該物件を購入した可能性が高い。「富裕層」であるとして、様々な営業展開を見込める相手と期待できる。

データをフルに活用

 この「情報を読み解く」という作業は、登記情報データを活用する上で非常に重要な要素となる。上記「不動産インデックス」は最新1年分のデータを抽出、閲覧できるツールであるが、JONは十数年前から蓄積しており、過去のデータ提供も行っている。例えば10~15年前に相続登記された物件であれば、そろそろ次の世代への「二次相続」が発生する時期ではないか、また、5年前の抵当権設定登記のケースだと、「変動金利から固定金利への住宅ローンの借り換え検討時期」といったことも読み取ることが可能だ。
 逆にいえば、そのような営業目的を先に定め、必要となる情報を選択抽出できる機会を不動産会社は持てるということだ。抽出情報を基に、他社に先駆けて様々な営業提案を行えるアドバンテージは大きいと言える。