木材利用ポイントが始動

今、注目! 木材利用ポイントが始動

その木どこの木?

林野庁 木材利用ポイント事務局

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7月から申請受け付け
最大30万円相当 今年度内着工が対象 木材利用ポイントの一般申請始まる

 林野庁が昨年度措置した「木材利用ポイント事業」のポイント発行申請が7月1日から始まった。スギ、ヒノキ等の地域材を使って木造住宅の新築・増築または購入や、内装・外装木質化の工事を行った場合、1棟当たり30万ポイント(30万円相当、東日本大震災特定被災区域は50万ポイント)を付与するもの(共同住宅でも、条件を満たす場合は対象)。対象工事は13(平成25)年4月1日から14(平成26)年3月31日までに着手(工事請負契約を締結)したものだ。

ポイントの交換
図1:ポイントの交換

 そのポイントは、(1)ポイント対象工事以外の木材を使用した工事費用への充当(即時交換)、(2)地域の農林水産品等、農山漁村地域の体験型旅行、全国商品券等、地域型商品券といった商品への交換、(3)森づくり・木づかい活動、被災地に対する寄付-として交換できる。住宅市場では現在、消費税率の引き上げを控え、それに伴う負担増加分の軽減策(住宅ローン減税の拡充など)が検討されているが、住宅需要者や事業者にとって、この「木材利用ポイント」は、需要喚起の新たな追い風となる制度と言えそうだ。

 この事業は(1)地域材の適切な利用を確保し、森林の適正な整備・保全、地球温暖化防止及び循環型社会の形成に貢献し、農山漁村地域の振興に資する、(2)関係者による地域材の需要拡大の取り組みを促進し、農山漁村地域経済全体への波及効果を与える-ことを目的とした。そのため対象となるのは、地域材を一定以上活用した新築住宅と内装・外装の木質化のほか、地域材を一定以上使用した木材製品やペレットストーブなどに限られる。
 また、新築住宅の場合、地域材を柱、梁、桁、土台、間柱において、1棟当たり4立米以上(延べ床面積によって異なる)使用することや、木造軸組工法、丸太組工法、枠組壁工法の工法別に使用樹種(スギ、ヒノキ、カラマツ、トドマツなど)も定められている。

 しかし、住宅需要者にとってこの制度は、単に30万円相当のポイントが得られるだけでなく、「心地よい湿度と香り」「あたたかさ」「やわらかさ」といった木材の魅力が満喫できる住宅を造ることができるほか、森林資源や地域の再生につながる行動を通じて、地球環境に貢献する機会ともなる。一方、地域材を使用する部材供給事業者や、その部材を活用する住宅メーカー・工務店などの施工事業者にとっては、地球環境に貢献する企業であることをアピールできる効果も期待できそうだ。

需要者・住宅業界ともに好機

 「木材利用ポイント事業」の流れは図2の通り。スギ、ヒノキ等の地域材を一定以上活用した新築住宅を建てると、30万ポイント(30万円相当)が付与され、それらは農林水産品等や農山漁村地域における体験旅行、商品券等に交換できる。住宅需要者にとっては非常にお得な制度となるため、住宅・建設事業者にとっては顧客を獲得する好機である。既に住宅展示場など住宅販売戦線では、本格的な活用体制に入っている。

木材ポイント事業のスキーム
図2:木材ポイント事業のスキーム

 木材利用ポイント事業は全国事務局に届け出た事業者が供給する部材を使い、住宅施工業者として認定され、登録された登録工事業者による施工が前提だ。登録工事業者の数は6月24日現在、全国を対象とする全国事業者が399社、都道府県単位で施工を行う単県型事業者が3万7906社。その一覧は木材利用ポイント事務局ホームページ("http://mokuzai-points.jp/)に掲載中だが、全国展開する住宅メーカーや地域有力工務店が顔をそろえ、意欲の強さを窺わせる。

よくある質問

さて、事務局ではこの事業に関しての「よくある質問」をまとめている。ここでは、登録工事業者に関する主なものを紹介する。

「登録工事業者とは」
「地域材の利用に積極的に取り組む等として、都道府県段階での協議会または全国段階での有識者委員会で認定され、全国事務局に登録された住宅施工業者のこと」
「住宅の販売のみを行っている事業者は登録する必要があるか」
「登録をする必要がある事業者は、木材利用ポイントの付与対象となる工事を行う住宅施工業者です」
「元請け業者以外の下請け業者、孫請け業者などについても登録が必要ですか」
「施主と元請け業者との工事請負契約に含まれている工事を行う者であれば、登録は不要です」
「登録工事業者の遵守事項を守っているかどうか、どうチェックするのですか。守らなかった場合、罰則かあるのですか」
「誓約事項を遵守できないことが確認された場合、登録が取り消されることになります」

地域活性化や森林資源の再生を

 今後、様々な媒体を使って、木材利用ポイント事業の周知が進められる。それに併せて住宅販売の第一線が盛り上がり、農山漁村地域活性化や森林資源の再生を後押しすることを期待したい。

木材利用ポイントPR大使に任命されたCWニコル氏と乃木坂46
木材利用ポイントPR大使に任命されたCWニコル氏と乃木坂46