社説「住宅新報の提言」

東京圏ワンルームの家賃相場

 住宅新報社は年2回、東京・大阪・名古屋・福岡の4大都市圏を対象にマンションとアパートの家賃調査を実施している。

 最も家賃が高かったのは東急東横線の代官山駅で下限10万円から上限13万6,000円となっている。

 上昇率が高かったのは日比谷線の六本木(10.1%)、広尾(9.0%)、都営三田線の白金台(8.7%)などの高級住宅地が目立つ。なかでも白金台は前回も8%上昇となっていたため、この1年間で約17%も上昇したことになる。

 最も賃料が高い東横線代官山は前回の14.6%上昇から今回は0.4%上昇となり、一服状況。山手線の上野(12.6%)、新宿(8.4%)も上昇が目立っている。同・都心の赤坂は下限、上限とも横ばいで9万5,000円から13万円となっている。

 一方、郊外部では逆に下落地点が目立つ結果となっている。新京成線の北習志野(11.8%)、東武野田線愛宕(9.1%)などの下落幅が大きい。北習志野駅周辺では駅から遠いエリアでの家賃引き下げが目立ち、下限は前回の4万5,000円から3万5,000円となった。

【今週の視点】
 都心部では上昇と下落がまだらな状況だが、郊外と比べればやはり全体的に上昇傾向のようである。当然、公共交通機関の駅に近いほど、家賃は高くなるのが常だが、郊外では駅近ですら下落が目立つ。利便性以外に家賃(=価値)を維持できるものはないだろうか。